マーケティングでのビッグデータの有用性については、いろいろな場で主張されるようになって久しい。けれど社内のあちこちに点在した各種データを整理して、マーケティングに活かすことができている企業は少ないのではないだろうか。

データの形式や種類がばらばらで量も膨大、しかも保存の場所や方法もそれぞれといったビッグデータを前に、手をこまねている管理者の姿が目に浮かぶようだ。そんな中、ビッグデータの活用を支援する新しい仕組みが登場した。

社内に散らばる膨大なビッグデータを自社にあわせ一元管理できるプライベートDMP「TUMIKI(ツミキ)」が登場

IoTなどの開発を行う株式会社パーソンリンクは、オフライン・オンライン問わず社内に散らばるビッグデータを、自社にあわせて一元的に管理し分析できるプライベートDMP(データマネジメントプラットフォーム)「TSUMIKI(ツミキ)」を2018年8月1日(水)に発表した。

多種多様なデータを社内に保有しながらも、マーケティングの場で有効利用できていない企業は多い。データの管理は各部署やプロジェクトなどで個別に行われており、結果的に横断的な分析ができていないのが理由だ。かといって、社内の各所に点在したデータをまとめ上げて分析に役立てるには莫大な手間と費用がかかる。

そんな問題を解決するためのプライベートDMPサービスも増えてはいる。しかし自社の都合にあわせてカスタマイズにも多大な開発費用や運用コストがかかる上に、開発期間が長期にわたってしまう。

たいして「TSUMIKI」では、マーケティングツールとして広く活用されているgoogleアナリティクスやデータウェアハウスといった既存ツールと連携し、企業ごとのオリジナルシステムを構築する。必要な機能のみピックアップして無駄を減らせるため、開発や運用に必要なコストを節約することができるのが特徴だ。さらにここで整理したデータは、ターゲティング広告の配信用に最適化することもできる。

社内データの統合と分析で新たなビジネスチャンスを創出

TSUMIKIの利用が特に推奨されるのは、実店舗とECショップ、活字媒体とWeb媒体など、いわゆる「クロスメディア・マーケティング」を行っている企業でのデータ管理だ。

たとえば漫画作品を週刊誌と電子書籍サイトの両方で公開・配信する企業を例にとってみよう。この場合、週刊誌・電子書籍の担当部署がそれぞれ個別に顧客データを管理しているが、これらを統合・分析することによって、週刊誌の購買者に対して電子書籍の広告を出すなど、より効果的なマーケティングが実現できるようになる。

加えて顧客の属性にあわせて、たとえばAという作品に興味のある顧客に対し、Aと世界観が類似したBという新作の広告を提示するといったマーケティングも可能だ。

これまで社内でばらばらに保管され活用されず眠っていたデータが、それぞれのターゲティングを最大化し、新しいビジネスチャンスを作り出すわけだ。このようなデータの統合や分析は、今後のビジネスにおいては必須となるだろう

社内データを使ってパーソナライズされたレコメンドやマッチングを実現するサービスも

社内のビッグデータを有効活用するためのサービスは他にも登場している。マッチングエンジン「Conomi(コノミ)」もその1つ。Conomiは、社内に眠るビッグデータをもとに、独自のアルゴリズムで顧客ごとの好みにパーソナライズされたレコメンドやマッチングを実現する。

さらにこのレコメンドやマッチングは、Webサイトだけでなく、POSデータや基幹システムに組み込むことも可能。オフラインの状態で活用することもでき、たとえば店舗での接客時に、端末へ目の前の顧客のおすすめ情報を表示するなどといった利用も考えられる。くわえて、マーケティングオートメーションツールやRPAツールなどと連携する機能もある。これによって「商品(モノ)」と「人(ヒト)」のマッチングによるマーケティングの幅を広げることができる。

新たな支援の仕組みの登場で、ビッグデータ活用がすすむことを期待

これまで社内に眠るビッグデータを有効に使えていなかった企業も、今回紹介したTSUMIKIやConomiのような新たに登場した仕組みによって、ビッグデータの活用をすすめることができるだろう。

そしてビッグデータが適切に活用されるようになれば、マーケティングの幅が広がり、新たなビジネスチャンスが続々と登場しマーケットも活況化すると期待される。

img:PR TIMES