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再配達というのは意外と面倒なものだ。特に一人暮らしにとっては依頼も面倒であり、再配達の時間帯を調整するのも大変だ。その問題を解決すべく、宅配業者はさまざまなサービスを打ち出している。今回、LINEを活用した夜間配達代行サービスが登場した。
207株式会社が運営するスマートフォンアプリLINEを活用した夜間配達代行サービス「TODOCU(トドク)」は、月額定額で“届け放題プラン”を7月24日より開始した。初回月額利用料を無料で提供する。
LINEを活用した夜間配達代行サービス
ネット通販の利用増加などを背景に宅配便の取扱高は増加の一途を辿っている。国土交通省の「平成28年度宅配便取扱実績について」によると、平成28年度の宅配便取扱個数は、40億1,861万個となった。これは前年度比で、2億7,367万個・対前年度比7.3%の増加となり、前年度に引き続き増加となった。
このような宅配の増加と同時に、日中は不在で荷物を受け取れないなどの理由から、再配達件数も増加傾向にある。
再配達の依頼件数の増加は、配達業者の収益率の悪化や従業員の労働時間の長期化などを招き、社会問題となっている。そこで配送業者各社は、コンビニ受け取りサービスの拡充、SNSでの再配達受付などさまざまな取り組みを行っている。
しかし、宅配業者によって連携しているコンビニが異なり、受取店舗の限定やそもそも店舗受取に対応していないなど、画一的なサービスの提供が行われておらず、消費者にとって利便性が低い状況にある。
そこで207株式会社は、消費者に特に需要の高い「夜間の配達」「受け取りたい時にすぐ届く」などのニーズに対応した。
「TODOCU(トドク)」はLINEから簡単に利用でき、日中荷物を受け取れない方向けの夜間配達代行サービスだ。
利用の流れは、まず、利用者がTODOCUのLINEアカウントに友達登録することでTODOCU専用倉庫の住所が通知される。その住所を通販などで利用することで、一時的に既存の宅配業者からTODOCUの倉庫で荷物を受け取り、夜間にTODOCU(トドク)スタッフが利用ユーザーへ届ける、となっている。
この流れは、LINEのチャットbotを活用しており、ユーザー登録、配達依頼、決済などの一連のやり取りは、全てLINE上で完結する。
これまでの、
- 受け取り日時の指定が難しく、その日に荷物受け取りを「すぐ」できない
- 昼夜を問わず、なかなか自宅にいれず受け取れない
- 配送する宅配業者を選べず受け通るコンビニを選べない
- 発送元に自宅を特定されたくない(特に個人間取引の場合)
といった消費者の悩みを解消する。
またコンビニ受取と異なり、一歩も外出せずとも配送依頼から30分以内に受取ができるのも魅力の一つだ。
対応エリアは、現在は渋谷周辺エリアのみとなっている。
不在宅の冷蔵庫に直接配達するサービスも
配達の問題を解決するサービスの一例として、ウォルマートの“不在宅の冷蔵庫に直接配達する”というサービスがある。
これは、スマートロック機器を販売している「August Home」と提携したこのサービスは、August Homeのデバイスを導入しているユーザーを対象としている。使い方は、Walmart.comでの注文時にワインタイムパスコードを設定すると、ユーザー不在時に配達員がそのパスコードを入力して解錠、冷蔵庫まで配達するというもの。
このサービスは、作業上、自宅に知らない人間が入ってくることになり、この点が気になるという人もいるだろう。しかし、配達員が解錠するとユーザーのスマホにはプッシュ通知が飛び、自宅の監視カメラから配達員の動きを確認ならびに記録もできることで、安全性は確保されているようだ。
単身世帯にはうれしい「TODOCU」
筆者も長い間、一人暮らしを続けていたことがあるが、平日は朝から夜遅くまで外出ということが多く、再配達には悩まされたものだ。今回の「TODOCU」のポイントは、LINEから手配できるという点と、夜間でも30分以内に受け取り可能という点だろう。
いちいち電話などで再配達依頼をせずに、夜間でも配達してくれるという「TODOCU」は、ユーザーの再配達への手間と配達側の無駄足を解決してくれる。現在は渋谷エリアのみだが、今後普及率が上がれば、エリア拡大も期待されるサービスになっている。
img:PR TIMES