現在、国内では多くのファッションEコマースがひしめきあっており、他社と差別化を図るべく、どの企業も戦略を練っている。中でも宣材動画は、専用のスタジオでカメラマンによる撮影を行い、商品の魅力が消費者に伝わるよう創意を加えている。

そんな背景の中、株式会社GAUSSは、従来より開発を行っている「ATS」(Auto Tagging System)に活用されている、人工知能(AI)の画像認識技術を用いて、新たにファッションEコマース向けの動画編集システムを開発した。

動画編集システムは、撮影・編集・納品といった一連の動画制作の工程を自動化することにより、Eコマースサイト向けの動画コンテンツを簡単に作成できるようになった。

運用方法としては下記のとおりである。

  1. 従来の撮影で使用されている機材で、動画を撮影。
  2. システムに動画をアップロードすると、指定のアイテム名(「トップス」等)からAIが自動的に動画内の該当箇所を認識し、拡大編集が行われる。(拡大箇所、拡大時間の変更・修正は可能。)
  3. 編集は10秒程度で完了し、即座に動画・画像用のサーバーに格納され、動画とともにサムネイル画像の作成も可能。

動画編集システムの導入による相乗効果

動画を掲載することにより、以下の効果が予測されるとしている。

写真では伝わりにくかった洋服の着用時の動きや質感が伝わり、顧客満足度の向上が期待できるという。また、導入コストの懸念などから導入事例が少ないのが現状だが、人材や機材にかかるコストを削減することにより、低価格でコンテンツの導入が可能になるのも強みである。

コストの面から言うと、撮影から納品まで自動化されるため、カメラマンやスタジオマンなど動画撮影にかかるコストも削減でき、全体的に低コストでの動画制作が可能になる。

本システムを「ATS」と同様、パッケージ化(API公開)し、ファッションEコマース販売に動画マーケティングを取り入れたい企業様向けに、2018年8月よりサービス展開予定であり、すでに株式会社ANAPへの導入が決定している。

AIによるファッションEC介入への影響

このように最先端の技術を活用することにより、手間を省き、より消費者に伝わりやすいサービスの展開が進んできている。

実際に店舗に出向く時間のない人や、足が不自由な人などがこのようなサービスを活用することにより、顧客の満足度が上がることは間違いないであろう。