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フリーランスという働き方が一層の市民権を得ている昨今だが、フリーランスになったゆえの問題も多々存在する。
とりわけ課題となりやすのは、信用の問題だ。いまだに個人という立場に仕事を発注することが難しい企業が多いのが現状で、それによる機会損失が生じてしまうという実態がある。
真にフリーランスが自由になれるように、ランサーズ株式会社から、個人の株式会社化を実現する『Freelance Basics』が開始された。
会社員とのリソース差分を埋めるサービス
米国の調査によると、2027年にはフリーランス人口が全労働人口の50%を超えると予想されている。国内においても、政府による「働き方改革」の推進や企業の「副業解禁」の動きが進み、ランサーズのフリーランス実態調査2018年でも2015年の913万人と比較し、今年は推定1,119万人となるなど、フリーランスの人口は増加傾向にある。
一方、中小企業庁の「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」によるとフリーランスの課題は「顧客獲得」を筆頭に、「社会保障」「モチベーション維持」「専門スキル・経営知識の習得」など様々な不安を抱えている。
また、フリーランスは会社員と違い、企業で当たり前に行われる専門領域ごとの業務分担や成長機会を全て自身で手掛けており、単独活動のため相談相手もおらず、不慣れな作業に多大なコスト(時間やお金)がかかっている。
この会社員との差分が、上記で挙げたフリーランスの課題に直結し、本来の“得意”や“好き”の発揮がしづらい環境となっていた。
ランサー生活圏構想は、このようなフリーランスが抱える課題を総合的に支援することで、多様な働き方を選択できる環境をつくるために生まれ、今回『FreelanceBasics』として本格的に事業化していくことを決定した。
『Freelance Basics』とは、フリーランスが個々人の持つ能力(=得意な領域)にフォーカスして時間を使えるよう、事業活動をする上で必要となる不得意、面倒な領域を総合的に支援することで、会社員とのリソース差分を埋めるサービスだ。
フリーランスは会社員と違い、苦手なことや知識のない業務も自身で実行しなくてはならない。フリーランスも会社員と同じように、苦手領域を得意な誰かとシェアし、得意領域で最大限の価値を発揮することができれば、個人がより社会に価値提供ができるようになる。
『Freelance Basics』では、フリーランスが抱える様々な課題に対し、「成長」「安心」「生産性」の3つの観点とそれに紐づく5領域(「コミュニティ/教育」「金融」「補償/保険」「専門家支援」「業務効率化」)でサービスを展開してく。
また、サービス展開に伴い、第一弾としてワンコインで法律や会計の悩みを気軽に相談ができる「士業/専門家支援サービス」をサブスクリプション・モデルで提供開始する。「士業/専門家支援サービス」とは『Freelance Basics』に会員登録したユーザーが、月額480円で弁護士/税理士/専門家の支援を受けられるサービスだ。
『Freelance Basics』のサービス展開に伴い、第一弾としてサブスクリプション・モデルで提供を開始する。支援内容は「会計」と「法律」の2種類となり、「会計サービス」は確定申告支援、専門家相談窓口などを通して、フリーランスの“お金まわり”を支援し、「法律サービス」は契約書関連、弁護士相談窓口などを通して、フリーランスの“法律まわり”を支援する。
また、サービスリリースを記念して、初月無料キャンペーンを実施する。
優秀なビジネスパーソンが企業からフリーランスに移行する傾向が増加
『Freelance Basics』開始の背景には、前述したようにフリーランス人口増加がある。実際、ランサーズが実施した「フリーランス実態調査」では、フリーランスの経済規模が初の20兆円超となっていることがわかった。
また、広義のフリーランス個人の平均報酬は186万円となり、2017年比12%増加傾向となった。
職種としては、接客や作業の仕事が165万人、営業などのビジネス系の仕事が137万人と多くを占めている。また、この調査では、副業系すきまワーカー、複業系パラレルワーカー、自由業系フリーワーカー、自営業系オーナーの4タイプがあるという。
また、フリーランスが考える働き方とは、「自由」、「プロフェッショナル」、「やりがいがある」という意見のほか、「自己責任」、「収入が不安定」であるという。
しかし、自由である裏には、スキルの習得などさまざまな局面において自己責任が求められる働き方だとフリーランスは考えているとしている。
そして、フリーランスの最大の障壁は「収入が安定しないこと」だ。また、「仕事がなかなか見つからない」といった不安も大きいようだ。
このように、フリーランスワーカーがかなりのスピードで増加している。企業に頼らない働き方を選択する、その大きな理由は「自由」であることだ。
その構図が現実になっていくと、おそらく優秀なビジネスパーソンから企業に頼らないワークスタイルに移行していくと考えられるため、雇用している企業側もそれに対する策や働き方を講じることが必要になってくるだろう。そうなると、副業解禁への動きもなおさら加速していきそうだ。
「自由に働く」時代にフィットしたサービス
今後、ますますフリーランスは増加するだろう。これからは、企業に頼らず自由に生きるという考え方を持った働き手が増えていく。「自由に働く」ということを最優先すミレニアル世代が、ビジネスにおいて主要なポストについていくこれからの社会ならなおさらだ。
『Freelance Basics』は、そういったフリーランスの「一人ですべてこなさなければならない」ことから発生する問題をサポートしてくれ、本領を発揮できる環境を構築してくれるサービスといえるかもしれない。
img: @Press