Webサイトの運営を行う際、重要なファクターとなるのが数値だ。自社サイト、クライアントのサイトに関わらず、数値分析を行うためにGoogleアナリティクスを導入していないサイトはビジネスの世界においてはあまりないだろう。それほど、Googleアナリティクスは優秀なツールとして認められている。

自社のWebサイトがどれだけ見られていて、どれだけのユーザーが訪れているのかの数値がわからないまま運用していては、自社サイトの何が悪くて何がいいのかの仮説立てもうまくいかず、改善をすることも難しいだろう。現代社会ではデータを取り、数字を分析するということの重要度は日に日に増している。

株式会社ベレネッツ(東京都新宿区、代表取締役:平松 誠一)は、そのGoogleアナリティクスの有用性をさらに向上させるサービスをスタートした。

検索キーワードの見える化

Googleアナリティクスを利用したことのある人であればおそらく知っていることだが、さまざまあるGoogleアナリティクスの機能の中で、サイトにランディングしたユーザーがどんな検索キーワードによってたどり着いたのかを知るというものがある。

例えば、Googleアナリティクス内の行動タブから「サイトコンテンツ」、「すべてのページ」と進み、任意のページを選択したあとに「セカンダリディメンション」を用いてキーワードを選択する、などだ。それによって、ページごとにどんなキーワードからランディングするユーザーが多いのかを知ることができる。

しかし、現在Googleアナリティクスで、オーガニック検索キーワードを調べようと思うと、ほぼ100%「not provided(提供されていません)」という表示が現れる。これがなぜかというと、2013年以降、Googleの検索にSSL通信が使われることになったことにより、キーワードが見えない状態が常態化しているからだ。

多くのユーザーに訪れてもらえるコンテンツを作ろうと思った際、SEO対策としてどんなキーワードのコンテンツを作るかということは重要なファクターであり、設定したキーワードと流入ユーザーの検索キーワードが異なっている場合、それは改善すべきことにもなる。もしくは、思いもよらないキーワードで流入している場合は、ユーザーの本当のニーズを抽出して、設定キーワードを変更することでそれまで以上に高い効果をあげられる可能性もある。

このように、ほぼ100%が「not provided(提供されていません)」となった場合、ユーザーがどんなキーワード検索で、どのページにたどり着き、どうページを閲覧したか、そしてキーワード自体が成果に結びついたのかどうかがわからない状態となってしまう。

株式会社ベレネッツが今回提供するサービス「AIキーワード」は、AIを使い、WEBサイトの流入キーワード・成約キーワードを見える化するサービスとなっている。

Googleアナリティクスで「not provided」が解析できると、

  • ユーザーがどのようなキーワードで訪れたかがわかる
  • 現在行っているSEO対策に効果が出ているのかがわかる
  • ページ別でどのようなキーワードで訪問されているのかがわかる
  • どのようなキーワードがコンバージョン(成約)に結びついているのかがわか
  • サイト運営者が知らない単語で検索している可能性がわかる
  • AとB、どちらがその後のページ閲覧数が多いキーワードなのかがわかる
  • (そのキーワードは)スマホで検索したのか、PC検索なのかがわかる
  • (そのキーワードで)すぐ帰ったのか、しばらく滞在したのかがわかる

などさまざまなメリットがある。これが実現できれば、その後のWEBマーケティングに対して大きな効果が期待できるだろう。

そしてこの機能は、現在使用しているGoogleアナリティクス上で使える、というのが「AIキーワード」の魅力の1つだ。

not providedの解消

では、Google自体が提供していないこの「not provided」のキーワードをなぜ「AIキーワード」は提供できるのだろうか?という疑問も生まれるだろう。

SEOの歴史が、Googleとその穴をつくようなコンテンツプロバイダーやSEO業者とのイタチごっこだったように、やはりGoogleの裏をかいたようなサービスなのだろうか?と思ってしまいそうだが、そうではないようだ。

この「AIキーワード」の「not provided」の解析には、Googleアナリティクスのテクノロジーパートナーとして認定を受けているドイツのデータアナリストチームの基礎技術を使用しているという。

その詳細は詳しく記載されていないが、9つの異なったソースを用い、WEBサイト訪問ユーザーが「何を検索」しようとしていて、「どのようにあなたのサイトを見つけた」のかを解析するとしている。

さらにAI学習によって、WEBサイト訪問ユーザーのクエリ(データの検索)をWEBサイトのセッションと連携させることにより、データが貯まるほど、正確な検索データがnot providedの代わりに出るような仕組みをとっているようだ。

ユーザー満足を高めるSEO対策となるか

今回紹介したように、Googleアナリティクス上で「not provided」のキーワードが可視化されることには大きな意味を持ちそうだ。

ご存知の通り、Web上には膨大な数のコンテンツが存在している。しかし、その全てが有用なものであるかと言われれば、それはノーだ。

Google側の進化によって、ユーザーにとって利益をもたらさないコンテンツはその順位が低くなるようになっているが、未だ信頼性の薄い情報が記載されたコンテンツなども多々見受けられるのも現状であり、そういったコンテンツも増え続けていることだろう。

今回のようなサービスによって、ユーザーが本当に望んでいることは何なのかを可視化し、訪問ユーザーが満足を得られるようなコンテンツが増えていくことに期待したい。

img: PR TIMES , AIキーワード(エーアイキーワード)