アマチュアスポーツ市場を開拓せよ!継続率90%のチームマネジメントツール「TeamHub」

友人と社会人バレーボールチームの練習に参加した際、こんな光景を目にした。

練習が終わり、メンバーが一斉にキャプテンのもとに駆け寄る。「XX日の練習休みます」「練習メニューについて相談したいです」「新しいメンバー呼べそうです!」…。それぞれが矢継ぎ早に業務連絡をしていく。汗だくのキャプテンが全員の話を聞き、必死に紙とペンでメモをとる姿が印象的だった。

チームの管理者にかかる大きな負担

試合の日程調整、出欠管理、成績管理、活動費の調達…。アマチュアチームにおいて、チーム管理者1人の負担はあまりにも大きい。

幅広い世代で構成されることが多いアマチュアチームでは、LINEやFacebookがチーム管理の市民権を得ていない。チーム管理者はITリテラシーが低い層に合わせた連絡手段、マネジメント手法を形成するのに苦心してきた。アマチュアチーム解散の大きな要因に、不十分なマネジメントによるチームの分裂があるのではないだろうか。

東京オリンピックまであと1000日を切ったなか、政府は2025年までにプロ・アマ問わずスポーツ市場を広げることを目標に掲げ、躍起になっている。アマチュアスポーツが広がりを見せる流れの中、チームマネジメントのわずらわしさは、拡大のボトルネックとなりかねない。

こうした状況を打開するべく、株式会社LinkSportsが提供しているのがチームマネジメントツール「TeamHub(チームハブ)」だ。

アマチュアチーム特有の“IT遅れ問題”に対応。スマホ1台からガラケー・パソコンへの連絡が可能に。

TeamHubはアマチュアスポーツ向けのチームマネジメントツール。アプリだけでなく、ウェブブラウザ版も配信している。

アプリ版操作画面イメージ

チーム内連絡を核に、チーム・個人の成績管理、写真・画像の共有、アンケート機能まで幅広い機能がある。チーム管理者は面倒なチームマネジメントをスマホ、またはパソコン1台で済ませることができる。

特筆すべき点は、その連絡手段にある。スマホ・パソコン向けツールでありながら、メールが受信できれば端末を問わず一斉にメッセージを送信することが可能なのだ。

端末を問わず一度の作業で連絡が可能

スコア記入の方法が簡便化しているのもTeamHubの特徴として挙げられる。例えば野球では、一球ごとのカウントや打席結果をタップで簡単に記入することが可能。

その結果は打率や防御率に自動で反映されるため、スコアブックを試合後に見直し、打率を計算する必要もない。高校野球のマネージャーが分厚いスコアブックを持ち歩く光景は、今後見られなくなるかもしれない。

ボールカウントから打席結果まで、タップで簡単に入力できる

スコア/成績記入のUIはスポーツごとに異なり、現在では野球、サッカー、フットサル、男女ラクロスに対応。今後はラグビー、バスケットボール、バレーボールを追加予定だ。ほとんどの機能は無料で使用することができ、チーム内の成績ランキングなどのオプション機能が課金制となっている。

これまでTeamHubに登録したチームは約2000チーム。そのうち90%のチームがインストールしてから継続利用している。ユーザーから高い満足度を獲得しているツールといえる。

TeamHubの提供元であるLinkSorts CEOの小泉氏は今後の展望について、「チームの強さを“偏差値”のような形で数値化し、試合のマッチングが捗るような機能を実装したい」と語っている

チーム管理者にとって同程度の実力のチームを見つけ、試合まで交渉する作業は労力を伴う。マッチングシステムが実現すれば、チーム管理者の負担をより軽減できるだろう。

3,000億円におよぶ「アマチュアスポーツ市場」。鍵はプレイヤーを「支える」視点

スポーツ庁は「スポーツ未来開拓会議中間報告」のなかで、2019年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピックを契機に、2025年までにスポーツ市場の規模を3倍近くに拡大させる目標を掲げている。その内訳として、今まで存在しなかった「アマチュアスポーツ市場」を3,000億円の規模まで成長させることも含まれている。

スポーツ庁「スポーツ未来開拓会議中間報告」より

2017年10月、NTTデータ経営研究所はスポーツとITが交わるビジネス「スポーツテック」業界の俯瞰図“Sports-Tech Landscape”を発表した。この図によれば、スポーツビジネスは「観る」「支える」「する」「創る」の縦軸と、「BtoC」と「BtoB」の横軸で分けることができるという。

“Sports-Tech Landscape”

近年、toCのスポーツビジネスでは「観る」チャネルが発展してきた。「Red Bull Air Race」や「SHIBUYA CITYGAMES」といった話題性のあるリアルイベント。YouTubeでは草野球をテーマにした「qooninTV」「東京バンバータ」や、陸上競技の「TKD PROJECT」、バスケットボールの「早朝シューティング部」など、アマチュア目線の情報発信も盛んだ。

2018年1月には、NTTドコモによるプロジェクト「FUTURE-EXPERIMENT」で、「5G」による新たなスポーツ視聴体験を予感させる動画も公開された。

こうしたスポーツをより楽しむための視聴体験は、人々をスポーツへ向かわせるだろう。その一方で、toCでプレイヤーを「支える」サービス、ツールは依然として少ないままだ。

オリンピックを見据えると、政府のみならず民間企業や国民全体がスポーツで盛り上がっていくことが予想される。3,000億もの市場を開拓していくためには「観る」体験だけでなく、「支える」視点からアマチュアプレイヤーのニーズを考えることが、ビジネスチャンスにつながるのではないだろうか。

到来する“スポーツビジネス戦国時代”。TeamHubは先駆の強みを生かし「縁の下の力持ち」となれるか

スポーツ市場の拡大に伴い、ビジネスのあり方そのものが変革期を迎えている。AMPにおいても、そのフロンティアをいくつか紹介してきた。

TeamHubを筆頭に、toC向けのプレイヤーを「支える」業界は、市場が拡大する中で開拓されたブルーオーシャンといえる。

ブルーオーシャンでは相対的に競合が少ない一方、前例がないため正解を見極めるのが難しい。TeamHubがアマチュアプレイヤーの中で定着するには、「対戦相手のマッチングが難しい」や「部費の調達がはかどらない」など、ユーザーの生の声に敏感になり、ニーズに応えた機能を実装することが求められる。

リフレッシュ、仲間との絆、自己を高める…。スポーツに見出す“楽しさ”は人それぞれだ。不要なマネジメントのわずらわしさを排除できるTeamHubは、スポーツの“楽しさ”を追求する余地を生み、人々を“楽しむための”スポーツへと向かわせるだろう。

img:TeamHub,スポーツ庁,NTTデータ経営研究所,Brent Cox

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