日々の生活のなかで、キャッシュの必要性・使用頻度は減少傾向にあり、様々な電子マネーによるキャッシュレス決済が可能となっている。お金のあり方・動き方の変容ということに焦点を当てると、給与にもさまざまな変化がある。

株式会社ISAOでは、会社内での現金の動きを効率化するというサービスをリリースした。同社がスタートしたインターナルペイメント&チェックインシステム「Mamoru Pay」は、飲食物の現金運用・出欠確認・勤怠や座席の存在確認など社内の煩雑なものをスマートデバイス1つで解決する。

まずは、社内で販売している食品・飲料の購入で現金運用をゼロにするため、給与天引きシステムを導入し、社員も経理も楽になる決済をスタートした。

面倒な小銭の準備や確認作業が不要に


Mamoru Payは、社員は事前にアプリをインストールしておけば、商品QRコードを読み取るだけでいつでも購入可能である。

経理側は管理ツールで簡単に給与天引きの準備が完了するため、面倒な小銭の準備や確認作業が不要になる。

また、現金運用だけでなく、オフィスの様々な運用管理も楽になるという。たとえば、オフィスコーヒーやオフィスグリコで利用可能になる。そしてQRコードを読み取るだけで、勤怠管理やセミナーの出欠管理もできる。

価格は

  • フリープランが無料
  • ベーシックプランが月額2万~
  • スタンダードプランが月額4万~

商品QRコード 印刷代行 QRコード成形+商品名記載+特殊素材印刷 20枚/1ロット1ロット5万円。初期費用は無料(初回セットアップをISAOが行う場合は、10万円)。

給与のあり方に起こっている変化

冒頭でも述べたように給与のあり方に変化が生まれている。これまで、給料とは月に一度、一定額入ってくるものであった。ところが、その形が変化する動きがでてきている。

その中の一つが「給与前払いサービス」だ。これは、実際の給与支払い日から繰り上げて給与を先払いでもらうことができるというもの。給料日前でも従業員の申請があれば、働いた割合に応じた給料を先払いしてくれるという仕組みになっている。従業員の急な出費に柔軟に対応しようという動きだ。

またこれは、従業員側だけでなく、企業側にもメリットがある。コストを抑えて福利厚生として導入でき、他社との差別化や従業員の離職率低下にもつながるからだ。

すでに福利厚生施策として導入し、派遣、アルバイト・パートの採用・定着などに活用する企業も出てきているという。

給与前払いサービスの具体的なサービスとして代表的なものに、株式会社enigmaが運営する「enigma pay」がある。これは勤怠データをもとに、enigmaが従業員への前払い給与の支払いを代行しておこなうというもの。

前払い給与の準備金が不要で、簡単に前払い給与制度を実現できる。

また、海外でも同様の動きがある。

日本のFinTechスタートアップであるドレミングは、欧米で「Doreming Pay」を展開している。このサービスの特徴は、従業員側からも雇用先企業からも一切手数料を取らない点だ。サービス提供の収益は加盟店が支払う決済手数料であり、クレジットカードやデビットカードと同じモデルであるという。

働き方に起こる大きなイノベーション

IT技術の進化によって、企業での勤務の形態に大きな変化が訪れている。在宅勤務制度を取り入れる企業もでてきており、これからは給与体系も変わろうとしている。

社内での細かいキャッシュの動きがなくなれば、従業員の作業も大きく効率化するだろう。また、給与の前払いサービスも企業の従業員定着率向上に大きく貢献するだろう。

働き方・給与体系ともに、仕事や働く人に合わせた形に収束していくだろう。今後は、さらなるパーソナライズが期待されるだろう。

img: PR TIMES