日本における医療の発展は目覚しく、私たちの平均寿命は男性が80歳を超え、女性は90歳に近づいている。ただしその成長に伴って、超高齢化社会が目の前に迫ってきているのも事実だ。合わせて医療費の増大も年々大きくなっている。

いくら平均寿命が伸びても、寝たきりや生活に支障がある状況では充実した日常を送ることは難しい。いつまでも元気で、充実した生活を送れる高齢者を増やすためにも、健康寿命を延ばしていく必要がある。

介護予防から健康寿命を伸ばす!ミクシィがヘルスケア業界に参入

2017年12月14日に株式会社ミクシィは、「株式会社スマートヘルス」を設立し、ヘルスケア事業に参入した。

スマートヘルスは、社会保障給付費削減に向けた取り組みとして推奨される介護予防に着目し、ミクシィで培ったコミュニケーション設計のノウハウと融合させた新しいヘルスケア業態を展開する。
これにより健康寿命の延命を図り、年々増大する社会保障給付費の削減の一助となることを目指す。

スマートヘルスが今回展開しようとしている内容は大きく2つだ。

【エビデンスに基づく運動プログラムの提供】

  • 予防理学療法と栄養学に基づき身体の状態を評価
  • 上記の結果から、サービス利用者の身体の状態に合った最適な運動プログラムを提供

【ミクシィのコミュニケーション設計】

  • “複数のサービス利用者でチャレンジする目標の設定”や”サービス利用者間のコミュニティ形成”など、これまでミクシィが培ってきたコミュニケーション設計により、サービス利用者が運動を継続しやすい環境を構築

上記図からも分かるように、①評価と②運動のサイクルを回しながら、③コミュニケーションを利用して運動を継続できる環境を構築していく。

医療分野に進出したIT企業

ミクシィの前身は、SNSを中心としたIT関連のサービスだ。同業種で先にヘルスケア業界に進出した企業の中には、株式会社DeNAの「MYCODE(マイコード)」がある。

MYCODEはDeNAの子会社である株式会社DeNAライフサイエンスが提供する遺伝子検査サービスだ。簡易キットを用いて利用者から採取した唾液を利用し、解析をおこなっている。

解析結果から病気の発症リスクや体質を利用者にレポートとして伝えるのはもちろん、その予防に向けた運動や生活習慣改善に向けた管理栄養士監修のレシピも提案する。

DeNAでは結果だけではなく改善点や予防方法までを提供することで、サービス利用者のQOL(生活の質)を上げることにも貢献しようとしているのだ。

健康の“視える化”に向けたIoTの活用

現在の主なサービスは利用者の唾液や血液といった体内物質から健康情報を解析しているが、IoTを利用して日常生活からデータを採取し、健康に活かそうという動きもある。つまり、日常生活を通して健康の“視える化”に挑戦しているということだ。

スマートウォッチやデバイスを利用した、体重・心拍数・睡眠時間・消費カロリーなどの数値化は有名だろう。最近では、住環境を丸ごとIoT化する「IoTスマートホーム」に向けた取り組みが進められている。

健康への気づきを促す「IoTスマートホーム」にみる、来たるべき未来のカタチとは

IoTスマートホームでは、住まいの様々なところにセンサーが置かれており、睡眠などの生活データを収集している。その日の睡眠状況や体重などがすぐ分かることはもちろん、生活データを蓄積しながら暮らすことは、本人ですら気がついていない体の問題や習慣に気づける可能性を秘めている。

将来的にはIoTスマートホームに生活しているだけで、健康や生活習慣の予防となる日も遠くはないだろう。

ヘルスケアサービスの充実によって利用者のQOLが向上

ヘルスケア業界ではミクシィやDeNAのような利用者への直接的なサービスはもちろん、IoTスマートホームのような間接的なサービスも参入しようとしている。

今後も各社がヘルスケアサービスに取り組むことで、サービス利用者のQOLは底上げされ、より充実した生活が実現されていくのかもしれない。