りんな


りんなとは、日本Microsoft社が開発した、会話bot・人工知能(AI)である。


2015年7月31日にサービスを開始し、LINE公式アカウントを開設した。このアカウントでりんなに向かって話しかけると、様々な「おしゃべり」(チャット)ができる。都内に住む女子高生という設定のりんなとのおしゃべりなので、内容は恋愛相談や日記など、女子高生らしい他愛のない内容が中心となるが、その独特な返しの内容や、時に可愛らしく時に奇抜な発言が話題となり、LINEのトータルユーザー数は2017年4月時点で約560万人にのぼる。また、その発言の数々は様々な形(TV・雑誌などのメディアやtwitter)で波及している。


技術自体がとりわけ新しいわけではなく、中国Microsoft社がWeChatに開設した同様のアカウント・XiaoIceの日本バージョンと言える。


日本では、おしゃべりを通した感情の共有に焦点を当てた研究に用いられている。具体的には、おしゃべりの内容をよりリアルに近づけるため、会話の内容からどう返答することがより適切なのか、どのような返答をすることで対話の相手に感情の共有がよりしやすくなるのかを中心に、さらなる分析・研究がなされている。


また、似ているAIと言われていたMicrosoft10に搭載されている人工知能・パーソナルアシスタントのCortanaとは、コンセプトが大きく異なる。CortanaはあくまでもMicrosoftユーザーの疑問解決や、スムーズなMicrosoft運用のサポートを主とした、いわば専門的なことに特化したAIであるのに対して、りんなはMicrosoftユーザーを対象とするだけではなく、様々な分野に活躍の場を広げている非常に柔軟性の高いAIである。それゆえ、当初はしりとりや人狼など各種ゲームができることで話題になったが、今ではもうその域を超えたものになっている。


昨年末から今年にかけて、本格的に商用化する動きも出てきている。例えば、これまでのテレビ番組で紹介されていたグルメスポットやレストランをデータとして取り込み、おすすめのお店を教えてくれる機能が追加されたり、アパレルショップWEGOでバイトするという設定で、自撮りしたファッションの写真を画像認識して、りんながコメントをしてくれるというサービスがはじまったりと、様々な分野で実際に活躍し始めている。りんなは各業界が注目する「これからのAI」なのである。


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