ファッションテック(Fashion Tech)


ファッションテック(Fashion Tech)とは、FashionとTechnologyを組み合わせて作られた造語で、ファッション業界に最新のテクノロジーを導入し、新たな産業やサービスを生み出そうという概念である。


ファッションテックが対象とするのはファッション業界全体であり、非常に幅広い。個別の製品や販売サービス、流通網からファッション業界そのもののあり方まで全てが対象となる。ファッションテックは非常に曖昧な概念であるためきちんとしたルールや定義は設けられていないが、ITを始めとした先端技術をファッションに用いることでよりよい製品やサービスを生み出すというのが基本的な考え方となる。


ファッションテックの代表例がスマートフォンとの連携である。毎年東京で開催されているファッションイベント「東京ガールズコレクション(TGC)」は若い女性に人気のイベントであるが、ショーの観客はステージ上で披露されたファッションをリアルタイムでスマートフォンを利用して購入することができる。このような試みはテクノロジーとの連携が必要不可欠であり、ファッションテックが実用化された好例である。


スマートフォンを用いたファッションテックとしては、オンラインファッションレンタルサービスがあげられる。従来のファッションレンタルは衣装を借りるために実店舗まで出向く必要があった。遠い店舗まで足を運んでも好みの衣装がない可能性もあり、決して気軽に利用できるサービスとはいえず、パーティーファッションや礼服などごく一部の衣装がサービスの中心で普段着としてレンタルを利用する人はほとんどいなかった。


そんなレンタルファッション業界で実現したファッションテックモデルが、モバイル経由で好きな服を借りられるオンラインファッションレンタルである。このサービスではスマートフォンを通じてオンライン上で衣装をチェックし、アプリ経由の注文で衣装を簡単にレンタルできる。レンタルした衣装は指定の場所に発送され、着用後は同じく返送すればよいため一切店舗に出向かずにレンタルサービスが利用できる。このようなサービスが実現したのはモバイルテクノロジーあってこそであり、サービス内容と技術が融合した成果であるといえるだろう。


今後のファッションテックにはビッグデータ分析によるトレンド予測や流通の最適化、新型ウェアラブルデバイスの開発などが期待されている。


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