ハードフォーク
ハードフォークとは、元々ソフトウェア開発の関係用語のことで「ハードフォークを行う」などといった使い方をする。
ソフトウェアとはコンピューターのプログラムのことだが、そのソフトウェアを新しいソフトウェアとして生まれ変わらせることをこのハードフォークは指している。いわゆるアップデートのようなものであるが、ただ単にアップデートをするだけでなく、アップデート前後で互換性がないものをハードフォークと言う。
Windowsのアップデートなどは基本的に互換性があるため、一般的にハードフォークとは呼称されない。Excelなどのソフトウェアがアップデート前後で全く違うものになってしまってはユーザーの混乱を招いてしまうため、そこでのハードフォークが行われることはない。
ハードフォークはテレビに例えると理解しやすい。アナログテレビの放送終了に伴ってデジタル放送へと変更され、アナログ放送は一切見ることができないといった例があげられる。このように、ハードフォークとはこれまでの形から変化し、過去の仕様を一切無視して新しいものに変わっていくことを指す。
一般にハードフォークは仮想通貨の世界で問題としてあがることが多いが、本来これまでよりも改善されたものに生まれ変わるという意味がある。仮想通貨の世界でのハードフォークとは、該当仮想通貨のルールを変える際に旧ルールを無視し、新ルールを新たに適用することで旧ルールとの互換性がなくなることである。仮想通貨はブロックチェーンによって成り立っている。
ブロックチェーンは最初から連なる一つのデータの列なので仕様を変える際には、
- それら全ての仕様を変更し、以前の仕様も使えるままにする方法(これをソフトフォークという)
- 新仕様を採用し、それまでの旧仕様は無視をする方法
のハードフォークがある。
ハードフォークは完全に新仕様になるため旧仕様との互換性がなくなる。よって、旧仕様との互換性が無くなるために期限までにアップデートをしなければ、旧仕様のまま取り残されて行くことになる。
一方ソフトフォークの場合は旧仕様との互換性があるため、旧仕様を残したまま新仕様を利用することになる。ハードフォークが行われた場合は事実上「旧仕様」「新仕様」どちらの仮想通貨も存在することになる。最近ではTheDAOというイーサリアムネットワークを使用したICOでのDAO流出問題の後にイーサリアムのハードフォークが行われた。ソフトフォークかハードフォークかは基本的に議論して決定されるようだが、この時はハードフォークでほぼ一致したようである。結果は再度イーサリアムの信用を取り戻し、価格も上昇したので成功と呼べるものだった。
このようにブロックチェーンでは特徴である「不可逆性」や「改ざんしにくい」という性質上、今までにはないようなプログラムの解決策が取られているのだ。
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