超音波センサー
超音波センサーとは、検出対象物に向けて超音波を発信し、対象物からの反射波を受信することで距離を測定する感知装置である。
センサーは用いる信号によって熱センサーや光センサーなどの種類があるが、超音波を用いるセンサーを超音波センサーと呼ぶ。
超音波センサーは送波器から超音波を発信し、対象物にぶつかり、跳ね返ってきた反射波を受信装置で受診する構造が採用されている。センサーの中には送信部がなく受信部のみで成立するものもあるが(熱センサーなど)、超音波センサーは送波器と受信部がセットとなっている。
超音波センサーは送波と受信の誤差により対象物までの距離を測定可能である。発信される超音波は音速で進むため「送波から受信までにかかった時間×音速÷2=対象物までの距離」で距離が求められる。2で割るのは往復分を片道分に換算するためである。
超音波センサーは視認できない対象物の検出にも用いられる。超音波はコンクリートなどを透過して進む性質があるが、超音波の進む方向に何らかの異物があると進行は妨げられる。この性質を利用することでコンクリート壁内の異物などを構造を破壊せずに検出することができる。視認できない場所や破壊できない場所の検査で超音波センサーは大きな効果を発揮する。対象物に影響を与えないため安全性も保たれ、1回で広範囲を検査できるので検査時間の短縮にもつながる。
超音波センサーは対象物の動的検知に向いているため、生活のあらゆる場面で使われている。距離を測定できるので特定の場所に何らかの対象物があるかないかを確認するという使い方ができるが、このような使用方法で駐車場の各スペースに自動車が停まっているかどうかを確認する駐車センサー、自動ドアに接近してくる人間を検知するドアセンサーなどに超音波センサーが用いられている。
超音波センサーは安全装置にも広く普及しており、障害物を検知する自動車用障害物検知装置、鉄道用衝突防止装置にも採用されている。ベルトコンベアーを流れてくる部品を検知する物体検出装置、自動で動くロボットの衝突を防ぐ空間認識装置などにも超音波センサーは欠かせない存在である。
超音波センサーは人体や環境に影響を与えない安全なセンサーである。今後は高齢者の行動を検出し、遠隔地からでも安全を見守ることのできる感知装置や侵入者を検出し警備会社に通報する防犯装置など、様々な分野への超音波センサーの普及が見込まれている。
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