スマートシティ


スマートシティとは、最先端の情報技術により高度に最適化された都市である。


エネルギーや交通網など、都市基盤を支える社会インフラは常に最適化を目指して整備されるものの、都市には必ずロスがつきものであり、最適化の実現は簡単ではない。スマートシティはそんな最適化が難しい都市運営に最先端の情報技術を導入することでインフラを管理・運営し、無駄なく快適に生活できる都市空間の実現を目指す。単にインフラの効率化を実現するだけでなく、都市に住まう人々の幸福も同時に追求する。


スマートシティという考え方が注目を集めたのは1980年台のエネルギー危機の時期である。当時は資源の枯渇を回避する手段として省エネルギーが叫ばれていたが、スマートシティは都市という大きな単位で省エネルギーを実現するアイデアとして発表された。スマートシティという考え方は既存の都市の運営にも強い影響を与え、省エネルギーだけでなくさまざまなアイデアが現在の都市運営に取り入れられている。


スマートシティは6つのスマートが集約して成立する。

  • スマートエネルギー (環境)
  • スマートモビリティ (交通)
  • スマートリビング (生活)
  • スマートエコノミー (経済活動)
  • スマートラーニング (教育)
  • スマートガバナンス (行政)


スマートシティは環境要素が注目されるケースが多いが、それだけではスマートシティは成立しない。スマートシティはあくまでも人々が快適に暮らせる都市づくりが大前提であり、単にエネルギー効率が最適化されているだけではスマートシティとはいえない。その他5つの要素を満たすために環境要素の最適化が遅れる可能性もあるが、6つの要素の集合体としてのスマートシティであるのだから重要なのはバランスである。


スマートシティの核となるのは情報技術である。都市を形成する各要素の最適化を目指すには何がどれだけ必要とされているか、どれだけ消費されているのかという受給の把握が必要不可欠である。しかし、膨大な人数が生活する都市ですべての受給をデータとして把握することは簡単ではない。従来は地道な調査や経済取引記録などから受給を概算するしかなく、正確な受給を把握することは事実上不可能であったが、情報技術の導入によりリアルタイムのデータ収集が可能になった。


リアルタイムのデータは正確な受給予測を実現するため、スマートシティには欠かせない要素となる。最新の需要データを元に効率的な供給を行うことでロスは最小限となり、必要な場所に必要なだけ財やサービスを提供するスマートシティが実現する。


【おすすめの記事】