360度カメラ


360度カメラとは一度に上下左右、360度の空間を撮影できるカメラのこと。


これまでのカメラが正面から見た景色を画像や動画として撮影することに対し、360度カメラは複数のレンズで撮影し、つなぎ合わせること(スティッチ)で360度すべての景色を画像や動画にすることができる。カメラの種類としては「全天球」と「半天球」があり、全天球は前後に1枚ずつ、合計2枚のレンズで撮影された映像を合成することで上下左右、360度の撮影を可能にしている。半天球はレンズ1枚でカメラの水平方向360度、つまりパノラマのような上半分の撮影ができる。


360度カメラは多くのメーカーが競って新機種を発表しており、外観や機能、コンセプトもさまざまなものが存在している。有名なものとしてはアクションカメラのGoProも360度カメラのカテゴリーに入るが、こちらはハイエンド機種でクオリティの高い映像が撮影できる代わりに、かなりのコストがかかってしまう。しかしながら、現在はリコーやニコンといったカメラメーカー、カシオ、サムスンなど電子機器メーカーにいたるまで、様々な企業が一般ユーザー向けの手軽に撮影できる360度カメラを発売している。


最近では、iPhoneに直に取り付けることで360度を撮影することを可能にしている「Insta 360 Nano」なども登場している。これまでの360度カメラと違い、Wi-Fiに接続する手間もなく、YouTubeとの連携によって360度のライブ配信も可能にしている。


購入を検討する場合は、撮影できる範囲を把握しておくことはもちろん、静止画撮影なのか動画撮影なのか、アウトドアと街中のどちらで撮影したいのか、など具体的に目的を決めておくことで選ぶ360度カメラの性能は変わってくる。


たとえば、野外とくにアウトドアやスポーツ、アクティビティの様子を撮影したい場合は防水や防塵、耐衝撃性能に優れているものがよい。街中や人、自撮りなどを楽しみたい場合は、軽く持ち運びのしやすいものや自身のスマートフォンに接続できて、写真アプリに保存したり、SNSにすぐに投稿できるような機能を搭載しているものがよいだろう。また、SNSで「いいね」を多く獲得したい、シェアしてもらいたいといったこだわりのある人であれば、目をひく上下左右の動画が撮影できる全天球のカメラを選ぶのも手だろう。


360度カメラはまだまだ新しい分野の技術であるため、機種によってカメラの性能やアプリの作りがかなり異なっている。スペックなどをしっかり確認し、十分に理解した上で自身のニーズにあうカメラを選ぶ必要がありそうだ。


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