近年、音楽業界ではビジネスの構造に変化が生じている。アーティストの収入源が、CD販売からライブコンサートへと移行しているのだ。日本のコンサートビジネスの市場規模は、拡大を続けている。

好きなアーティストのライブコンサートを見に行くためには、「チケット」が必要だ。この「チケット」の扱いについては、さまざまな問題が生じることがある。もし、当日体調を崩して、チケットが不要になったらどうするだろうか。もし、どうしても欲しいチケットが、手に入りづらい状況だったらどうするだろうか。

まず思いつくのが、「インターネット上での転売」ではないだろうか。しかし、そこには多くの問題がひそんでいる。

チケット転売の問題

現代では、インターネットの普及により、さまざまなモノが二次流通市場で転売されている。ライブコンサートのチケットも例外ではなく、人気アーティストのライブチケットを、高額で転売することを目的に買い占める、「ダフ屋行為」が問題となっている。

「チケット転売」には、いくつかの問題点がある。まず、買い占めにより価格が不当に高く釣り上げられることだ。価格が不当に上がると、本当に欲しいファンが手に入れられなくなる。ファンはチケットを高い値段で購入すると、会場でグッズの購入ができなくなってしまう。また、転売サイトでは、偽造チケットが売られることもあり、犯罪の温床になることもあり、多くの問題をはらんでいる。

経済学的には、需要が多ければ価格が上がるのは当然、という人もいるだろう。ライブチケットは、席数が限られており、供給を増やすのはむずかしい。必然的に価格が上がることになる。最初の販売価格を上げれば良い、という考えもあるかもしれない。しかし、主催者やアーティストがチケットの値段を上げないのにも考えがある。「ファンとの持続的な関係を築くため」「ライブの盛り上がりはファンとの共同作業だから」というのが理由だ。

ライブチケットは、アーティストの重要な収入源だ。「ダフ屋行為」によって高額転売された場合、その差額がアーティストの収入にならないことも本来の経済活動とは異なってしまう。

チケットの高額転売は、ファンにとっても主催者・アーティストにとっても、解決するのが難しい問題だ。

チケット転売の問題は、政府も問題視している。2020年に控える東京オリンピックへの影響も、考慮されているかもしれない。2018年3月5日には、自民党のライブ・エンタテインメント議員連盟が、「コンサートチケットなどの高額転売を規制する議員立法」の要綱案を了承し、今国会への提出を目指している。

新法は、取り締まりが難しいインターネット上のダフ屋行為を規制対象にしたものだ。国外において日本人がネットを通じて高額転売した場合でも、違法とする。

しかし、法律による規制強化は、さらに危険な違法マーケットの出現を助長することがある。そこで、安全なチケットの二次流通を実現するプラットフォームが登場した。

チケット二次流通の問題を解決するプラットフォーム「リコチケ」

シールドバリュー株式会社は、2018年3月1日から、新型のチケットプラットフォーム「リコチケ」の正規版をリリースすることを発表した。1月よりテスト版を公開し開発を進めてきたが、各イベント業界および一般向けにチケット委託販売サービスを開始する。

「リコチケ」は音楽ライブ・劇場・クラブイベントなど、大小あらゆる興行のチケッティングを総合的にサポートするプラットフォームだ。キャンセル・再販・譲渡が可能なサービス設計で、一次流通(販売)と二次流通(譲渡)を包括的に取り扱う。「チケット転売問題」を解決し、興行主・アーティスト・ユーザーの全員のベネフィットを実現する。

「リコチケ」では、会員登録すると同行者を含め、最大5枚までチケットを購入できる。購入時には、同行者全員の氏名の登録が必要で、公演当日、には、身分証により本人確認を行う。

さらに、「チケット転売問題」に対応する機能がいくつかあるようだ。

まず、「リコチケ」には、「キャンセル機能」がある。券面にある専用のQRコードを読み取ることで、予め興行主によって決められた金額が返還される。キャンセルされたチケットは、即時に「リコチケ」内で「リセール(再販)」される。ユーザーの都合で不要になったチケットの、不当な転売行為の抑制が可能だ。

「リコチケ」内の「マッチング機能」により、チケットを購入した会員は、第三者へ販売譲渡することも可能だ。チケットに付属して送付される“Overwrite Card”上の、専用のQRコードをスマホで読み取ることで出品する。プラットフォーム内なので、取引が安全だ。

これも転売ではあるが、価格に上限が定められている。また、プラットフォーム内なので、取引が安全だ。そして、「追及権」の考えを採用し、出品者の売り上げの一部(販売価格の15%)を徴収し興行主へ還元することになっている。「追及権」というのは、アートの世界で、作品が高く転売された場合に、その差額の一部をアーティストが受け取るべき、という考え方だ。

「ペアリング」機能では、QRコードをスマホで読み取ることで、購入したチケットの権利を、友人・知人など特定の相手に定価で譲渡できる。

このように、あらゆるシーンで「転売ヤー」の介入を防ぐ。

システム上で「チケット転売問題」を解決し、ライブイベントの健全な運営を実現

インターネットの普及により、二次流通市場が活性化している。しかし、ライブイベントのチケットに関しては、「買い占め」や「不当な高値での転売」、といった問題を引き起こすことになった。ファンにとってもアーティストにとっても、主催者にとっても大きな問題となっている。

法律による規制も考えられているようだが、それはより危険な裏マーケットの出現に繋がる可能性を持つ。

「リコチケ」のようなチケッティングのプラットフォームが、システム上で「チケット転売」問題に対応することが、ライブイベントの健全な運営実現への、最適なソリューションといえるだろう。

img: PR TIMES