現代社会では、人と人のつながりが希薄化しているとされてきた。ただ、それは人とつながるという目的のための手段が対面からデジタルに移行したという考え方もあるだろう。

その結果として、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用は一般化しており、SNSの利用で人々は、趣味やプライベートで新たな繋がりを発見し、コミュニティを形成するようになっている。またSNSはビジネスでも利用され、ビジネスシーンを活性化するコミュニケーションの場としても一役買っている。

さらに今テクノロジーの進化によって、人と人とのネットワーク構築を行うことができるサービスも登場してきている。

「イベント特化型」ネットワーキングサービス「EventHub(イベントハブ)」

2018年1月23日、株式会社EventHub(イベントハブ)は、イベント特化型ネットワーキングサービス「EventHub」の本格始動を発表した。

EventHubは「イベントでの繋がりを増やす」をコンセプトにつくられたサービス。カンファレンスや展示会の参加者間のビジネスマッチング(ネットワーキング)や商談の機会を増やすことを目的としている。

カンファレンスや展示会等のイベントでは、参加者・出展社が、新規ビジネスの創出を目的として参加する。これまで、参加者同士のマッチングは、出展ブースでの活動や、主催者側のスタッフが手作業でおこなうなど、テクノロジーを介さない施策がほとんどだった。

「EventHub」を導入すると、参加者はスマホを使って、イベント会場でまわりにどのような参加者や出展社がいるのかを検索することができるようになる。「会いたい」申請を送り、申請が成立したら、ソフトウェアがお互いのスケジュールを自動的に照らし合わせ、面談時間を提案。面談室予約やダブルブッキング防止も自動的に行う。

EventHubは、これまで、TechCrunch Tokyo、Embedded & IoT Technology、国際会議STSフォーラム等のイベントで、ネットワーキング促進に利用された実績がある。今回の本格始動では、「自動スケジュール機能」と「レコメン機能」を加える。1月23日に開催されるEVENT JAPANの公式マッチングコンシェルジュとしてサービスを提供・公開する予定だ。

EventHubはこれからも、イベントという、同じ会場に同じ目的の人間が集まり、リアルな会話ができる場所だからこその価値を最大限生かす活動を進めるという。

ネットワーキングサービスはビジネスのイベント会場だけでなく、採用シーンでも、新たな出会いを創出する。

「LinkedIn(リンクトイン)」が可能にする「ダイレクト・ソーシング」

「LinkedIn(リンクトイン)」は、世界最大級のビジネス特化型SNSだ。ビジネス上の採用やネットワーク構築に利用され、グローバルでは4億人のユーザーを持つ。2003年5月にサービスを開始し、2016年にはMicrosoftによって買収されている。

「LinkedIn」は、個人・企業が利用する。とくに採用面での活用が多いようだ。個人のビジネスマンは、キャリア・スキルなどを登録し、履歴書・レジュメ代わりの「自己紹介ツール」を作成する。ビジネス上つながりのある企業や個人を、「コンタクト」として登録し、整理できる。

企業は、自社ページを作成し、ブランディング活動をおこなう。また、必要とする人材を検索し、「ダイレクトソーシング」と呼ばれる、直接的なアプローチが可能になる。

「LinkedIn」は、企業と個人が直接つながるための「プラットフォーム」であり、「ダイレクトソーシング」を可能にするソリューションだといえる。これまで人材を探す企業は、どこに、どんなキャリアを持った人が、どれだけいるのかを知る方法がなかった。「LinkedIn」を使えば、そういった情報にアクセスし、必要な人材に直接アプローチできるようになる。

LinkedIn上では、企業からのスカウトを待つだけではなく、個人が自ら企業の求人に応募することも可能だ。自分のプロフィールを閲覧した人がわかるので、関心のある企業の人へアプローチすることもできる。

LinkedInは採用や転職だけではなく、EventHubと同じようにビジネスマン同士のネットワーキングにも活用することができる。新しい商談のチャンスとして利用する人もいるが、日本ではその国民性からか、まだ盛り上がっているという状況まではきていないかもしれない。今後、このようなサービスが増えるにつれてLinkedInを使ったビジネスチャンスも増えていくことだろう。

このように、ビジネス特化型SNSは新たな採用・転職の形を作り出しており、隠れたビジネスチャンスを掘り起こす選択肢として利用することもできる。

マッチングサービスは見えていなかった人や企業の繋がりを可視化する

SNSの登場により、人々のコミュニティが多く誕生し、活性化している。それは、今までみつけることができなかった、人と人との繋がりの発見によって可能になった。

ビジネスにおけるマッチングサービスも、今までみえていなかったものを可視化する。展示会やカンファレンスなど、広い会場で知ることのできなかった繋がりが、SNSアプリを通せばスマホでみることができるようになった。今までどこにいるのかわからなかった、採用したい人材も、SNSで発見し直接アプローチできる。

SNSやマッチングサービスはこれからも、今まで我々が見ることができなかった「繋がり」を可視化していくことになるだろう。

img: PR TIMES , LinkedIn