京セラが、滋賀県野洲市において、今年4月より、国内初となる蓄電池を活用した再生可能エネルギー「自己託送」の実証実験を開始することを発表した。

京セラ_実証実験_自己託送

自己託送とは、企業などが自社工場などで発電した電力を一般送配電事業者の送電線を利用し、別の自社拠点に供給する制度。

同実証では、野洲市が所有する2,000平方メートルの敷地に、京セラ製太陽光発電システム約150キロワットを設置。同システムで発電した再生可能エネルギーを関西電力の送配電網を通して、約2キロメートル離れた京セラ滋賀野洲工場に供給する。

なお自己託送の実証実験では、国内初（※）となる定置型リチウムイオン蓄電池を活用。安定的な電力供給による自己託送容量の平滑化と、これまでのVPP（バーチャルパワープラント）関連実証実験等で培った分散蓄電池の制御技術を応用し、系統の負担を軽減する再エネ電力供給を目指していくという。

また、同発電所に併設する蓄電池は、災害などの広域停電発生時には自立運転し、地域住民への充電サービス等を行うことにより、市の減災対策にも活用されるとのことだ。

京セラグループでは、2030年度に排出する温室効果ガスを2013年度比の30％削減、再生可能エネルギーの使用量を2013年度比の10倍とする長期環境目標を定め、グループ全体で目標達成に向けた活動を推進している。

京セラは、同実証を通し、今後需要拡大が予測される「自己託送」の事業モデルの確立を目指すとともに、現在日本で進められている再生可能エネルギーの主力電源化の実現に向けた安定的かつ適切なエネルギー需給構造の構築と脱炭素社会の形成に寄与していくとのことだ。

（※）日本国内で実施している自己託送の実証実験において（2020年1月28日現在 京セラ調べ)