SDCは、処方せんなしで医薬品が買える零売薬局「セルフケア薬局 雷門店」を2019年8月31日にオープンすると発表した。池袋店に続き、2店舗目となる雷門店のオープンにより、「セルフケア薬局」は日本で初の零売薬局チェーン店の展開を実現するという。
同社によると、2019年7月12日発刊の日経新聞一面に「市販薬のある医療用医薬品の処方が最新の16年度データで5,469億円もあった」という趣旨の内容が掲載されたとのことだ。
これに対し同社は、市販薬のある軽度な症状に対する医薬品も保険で安く買えることや、医療用医薬品に対する安心感がこのような状況の背景にあるとの見解を示した。
一方で、2019年8月22日、健康保険組合連合会は、医療機関で処方される市販薬と同じ成分の花粉症治療薬について医療保険の適用から除外し、全額自己負担にすべきだと提言。保険財政のさらなる悪化が我が国の喫緊の課題となったという。
同社は、このような社会課題に対し、全国に零売薬局をチェーン展開することで、上記にある5469億円以上の医療費削減を目指すとしている。また、ユーザに対しては、やむを得ず病院で受診できない際の新たな医薬品購入の選択肢として、健康増進や利便性向上を目指し、薬剤師と相談しながらセルフメディケーションが行える社会を創造していくとのことだ。
「セルフケア薬局」概要
セルフケア薬局とは、病院などで使用される医療用医薬品約15,000種類の内、処方箋なしでの販売が認められた医薬品約7,300種類を、薬剤師のカウンセリングのもと販売する薬局。
これまで、セルフケア薬局は管理の煩雑さや副作用の発生時の責任の所在などの問題があり、一般的な薬局では行われておらず、利用者にも認知されていなかったとのことだ。
しかしながら、同社は2016年より実証試験を開始し、管理のシステム化や薬剤師の教育、業務手順の徹底、マニュアル構築、認知向上のための啓蒙を行うことにより、管轄保健所との協議の上、これらの問題を解決し、医薬品の販売を可能に。
これまでの利用者数は延べ8,000人を超えるという。
同社は、3年以内に都内で100店舗以上のチェーン展開、およびセルフケア薬局の全国チェーン展開を目指すとしている。