トルビズオンは、組合林業と下関市の協力のもと、ドローン物流の社会実装に向けて「空の道」の設計にとりかかると発表した。
同社によると、今後ドローンが物流や人の移動などさまざまな分野で活用される時代を見越したとき、日本国土の三分の二を占める森林は、その空路としての活用の可能性は非常に大きいと考えられるという。
森林上空がドローンの飛行に適していると目される一方、その下には地権者が存在しており、森林所有者の合意のもとでの空域の適正管理、適正利用を前提として運用していくべく、「空の道」の設計に至ったとのことだ。
同社は、土地所有者とドローンユーザーをマッチングし、合意形成したうえで安心なドローン飛行を支援するサービス「sora:share(ソラシェア)」を展開。
設計した「空の道」は、「sora:share」に登録され、物流や小売を行なう事業者等は、登録された森林組合が管理する空域を利用できるとしている。
「sora:share」概要
「sora:share」は、土地所有者とドローンユーザーをつなぐ上空シェアリングサービスである。
土地所有者とドローンユーザーをマッチングし、合意形成したうえで安心なドローン飛行を支援するとのことだ。ドローン飛行のための、空中権の予約・販売から管理までを実施。
私有林上空を利用した「空の道」を設計
組合林業は、同社のsora:share事業にて連携することで、山口県下関市から森林上空を用いた空の道のスタンダードを構築。
物流や小売を行う事業者等は、「sora:share」に登録された森林組合が管理する空域を、利用することが可能になるという。
組合林業は、墜落、騒音、プライバシー侵害などドローン航行による一定のリスクに対して保険によるリスク回避を行うとともに、ドローン事業の発展を促進するため地権者による一部リスクの容認に関して合意形成を実施。
また、空路を設計するにあたり、下関市は道路や河川の上空を通過する際に必要な各種調整を担うとしている。
また下関市は、ドライバー不足や高齢化などの理由で、買い物弱者が集中する豊田地区においてドローンを用いた新しい物流のあり方を模索するとともに、内閣府が提唱するSociety5.0の世界を実現するために、sora:shareによる空路構築を支援。
同取り組みでは、今年の秋を目処に、下関の「空の道」を利用した、物流用ドローンの社会実装実験を行うとしている。
下関市における同「空の道」設計においては、ドローン航行のリスクを一部容認する代わりにドローン航行に対して一定の対価の支払いを課し、現法制度においてドローン社会実装のモデルとなることを意図しているとのことだ。