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女性管理職・役員の割合、ともに過去最高 一方で管理職・役員は「全員男性」企業も依然高水準

帝国データバンクは、全国2万2,350社を対象に、女性登用に対する企業の見解についてアンケート調査を実施し、結果を公表した。

なお、女性登用に関する調査は2013年以降、毎年7月に実施し、今回で14回目とのことだ。

◾️女性管理職の平均割合は11.3%、過去最高も上昇は小幅

自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合を尋ねたところ、女性管理職の平均割合は11.3%で、前年の11.1%から0.2ポイント上昇。過去最高を更新したものの小幅な上昇にとどまった。

割合別に前年と比較すると、「30%以上」は前年比0.1ポイント減の11.8%、「20%以上30%未満」は同0.7ポイント増の7.1%、「10%以上20%未満」は同0.4ポイント減の9.5%。

女性管理職が2割台の企業は増加したものの、「30%以上」の企業はわずかに減少しており、女性管理職の登用が高い水準まで進む企業の広がりには、足踏みもみられる。

とりわけ課題として残るのが、女性管理職が一人もいない企業の多さ。「0%(全員男性)」は前年から0.2ポイント低下したものの、42.1%と最も高く、依然として4割を超えている。

従業員数が少ない企業では、管理職のポストや登用候補となる人材、新たな任用の機会が限られ、管理職構成の変化に時間を要する場合もある。

企業からも、「社員数が少なく、管理職は2人に限られるため、現時点では女性管理職がいない」(情報サービス)との声があった。平均値が過去最高となる一方で、女性管理職が一人もいない企業の割合に大きな変化はなく、裾野を広げることが引き続き課題といえる。

自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合

企業規模別に女性管理職の平均割合についてみると、「小規模企業」が13.9%で最も高く、「中小企業」が11.7%、「大企業」が8.9%と続いた。前年と比べると、「大企業」は0.6ポイント増、「中小企業」は0.1ポイント増となった一方、「小規模企業」は0.4ポイント減少。「大企業」では上昇したものの、女性管理職の割合は依然として1割に届いていない。

業界別では、「小売」が19.5%で最も高く、次いで「不動産」が18.7%、「サービス」が15.5%、「金融」が14.9%となった。一方、「建設」は7.0%で最も低く、「製造」(8.2%)、「運輸・倉庫」の(8.6%)とともに1割を下回った。

これらの業界では、屋外の工事現場やトラック、工場など働く環境が比較的厳しく、女性従業員の割合が低いため、管理職候補となる人材が限られている可能性がある。

また、現場経験を重視する昇進経路に加え、不規則な勤務や身体的負担をともなう業務、仕事と家庭を両立しやすい勤務・職場環境の整備など管理職への昇格に至る前段階で複数の課題があると考えられる。

とりわけ「建設業」では、企業から「女性がいないため、採用したくても適任者に巡り合えていない」「事務職以外での採用が難しい」などの声も寄せられた。

◾️女性役員ゼロの企業は51.5%、低下続くも依然として半数超

自社の役員に占める女性の割合を尋ねたところ、「0%(全員男性)」が51.5%と最も高かった。前年の52.1%から0.6ポイント低下したものの、依然として半数を超えている。

「30%以上」は同0.4ポイント増の19.5%、「20%以上30%未満」は同0.6ポイント増の8.5%となった一方で、「10%以上20%未満」は同0.3ポイント減の5.8%、「10%未満」は同0.1ポイント減の11.7%となった。

その結果、女性役員がいる企業の割合は45.5%と前年の44.9%から0.6ポイント上昇した。

女性役員の平均割合は14.2%となり、2025年の13.8%から0.4ポイント上昇し、過去最高に。

自社の役員に占める女性の割合

企業からは、「女性の役員就任に向けて動いている」(農・林・水産)や、「女性の職域を事務職から総合職や営業職へ広げ、役職者への登用も進めている」(鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売)など、具体的に進める声が聞かれた。

女性役員がいない企業の割合が緩やかに低下するとともに、女性役員への登用・昇格を進めている企業では、その割合が徐々に高まっている様子がうかがえる。

◾️女性管理職の増加を見込む企業は29.6%、 女性役員は10.8%にとどまる

今後、自社の女性管理職がどのように変化すると考えているか尋ねたところ、「増加する」と見込んでいる企業は29.6%となり、「変わらない」は43.8%、「減少する」は1.1%、「分からない」は25.6%だった。

また、女性役員が今後「増加する」と見込む企業は10.8%にとどまり、女性管理職を18.8ポイント下回った。「変わらない」は57.3%と約半数を占め、「減少する」は2.4%、「分からない」は29.5%。

女性管理職については3割近くの企業が増加を見込む一方、女性役員では現状維持を予想する企業が多い。経営層への登用は、管理職より緩やかになると企業がみている様子が表れた。

従業員数別にみると、女性管理職が「増加する」とした割合は、「5人以下」の15.3%から従業員数が多くなるにつれて上昇し、「301~1,000人」で59.7%、「1,000人超」では72.5%という結果に。

「1,000人超」は「5人以下」を57.2ポイント上回っており、企業規模による見通しの差が鮮明に表れた。

女性役員については、「5人以下」が10.6%、「6~20人」が10.1%、「21~50人」が9.5%、「51~100人」が10.6%、「101~300人」が11.1%と、300人以下ではおおむね1割前後。

これに対し、「301~1,000人」では19.8%、「1,000人超」では33.0%に上昇した。女性役員についても、大規模企業ほど増加を見込む傾向がみられるものの、「1,000人超」でも3社に1社にとどまっている。

女性管理職が「増加する」とした割合は上場企業と非上場企業の間でも差が表れ、上場企業で62.9%となり、非上場企業の29.0%を33.9ポイント上回った。女性役員も上場企業が30.9%と、非上場企業の10.4%を20.5ポイント上回っている。

上場企業では、女性管理職と女性役員のいずれについても、増加を見込む割合が非上場企業より高く、規模の大きい企業を中心に女性管理職・役員割合の増加が進んでいくことが見込まれる。

◾️女性活躍推進策「性別に関わらず成果で評価」が64.2%でトップ

女性の活躍推進のために行っていることを尋ねたところ、「性別に関わらず成果で評価」が64.2%で最多。次いで、「性別に関わらず配置・配属」が53.8%となり、性別ではなく、能力や適性、成果を基準とした人事運用が上位を占めた。

企業からも、「特に性別を意識せず、能力に応じて昇給・昇格を行い、活躍できる場を提供している」(メンテナンス・警備・検査)との声があり、女性を一律に特別扱いするのではなく、個々の能力を評価し、配置や昇格につなげようとする考え方がうかがえる。

このほか、「女性の育児・介護休業の取り組み推進」(34.0%)や「時短勤務の対応」(28.5%)、「就業時間の柔軟化」(27.5%)など、仕事と家庭の両立を支える制度や働き方、職場環境の整備に関する取り組みも上位に並んだ。

女性の継続就業を支えるには、制度を設けるだけでなく、必要なときに利用しやすい職場風土を形成することも重要な視点となる。

女性の活躍推進のために行っていること

企業からは、「女性活躍推進チームを発足させ、女性が働きやすい環境づくりを模索している」(その他サービス)との声も寄せられた。

従業員が業務上感じる課題や必要な支援は、業種、職種、勤務形態などによって異なるため、社内チームや意見交換の場を設けることは、画一的な制度では把握しにくい課題を見つける一つの方法となり得る。

一方で、「キャリア開発・育成の充実」(7.1%)や「女性管理職の数値目標を設定」(3.5%)、「キャリアに関するモデルケースを提示」(2.6%)など、具体的に対象を明確にした育成施策に取り組む企業の割合は低位にとどまった。

<参考>
帝国データバンク『女性登用に対する企業の見解についてアンケート調査

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