令和8年熊本地震、企業の15.7%に影響 九州では53.9%、8割超が防災対策見直しへ
帝国データバンクは、全国938社を対象に「令和8年熊本地震の影響と防災に関する企業アンケート」を実施し、結果を公表した。
同調査は、2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」による企業活動への影響のほか、企業が行う自然災害への対策である企業防災に対する意識を聞いたもの。
令和8年熊本地震で企業の15.7%に影響、九州では53.9%に
令和8年熊本地震による自社の企業活動への影響について、直接・間接を問わず尋ねたところ、「既に影響が出ている」が8.2%、「影響が見込まれる」が7.5%となり、合計で15.7%が「影響がある」と回答した。一方、「影響の有無を確認中」は6.9%、「現時点で影響はない」は74.1%だった。

影響の内容としては、設備や建物の損傷といった直接的な被害に加え、販売機会の減少、仕入れや出荷の遅れなどがみられたという。企業からは、倉庫の棚が倒れて商品が飛散した、被災地域の顧客でラインストップが生じている、建築資材の納期に遅れが出ているといった声が寄せられたとしている。
また、通行止めや生産の一時停止・減産により、被災地域の内外を問わず物流面でも影響が発生している。企業からは、出荷停止や出荷ルート変更にともない経費が増加しているとの声もあり、サプライチェーンに支障が生じているという。
影響がある企業の割合を規模別にみると、中小企業は15.1%だった一方、大企業は19.8%となり、中小企業を上回った。地域別では、被災地である九州が53.9%と突出して高かった。
企業の84.6%が防災対策を導入・見直しへ
今回の地震を受け、自社でどのような防災対策を新たに導入、または見直したいと考えるかを複数回答で尋ねたところ、何らかの対策を導入・見直したい企業は84.6%に上った。
具体的な対策では、「社内連絡網の整備・確認」が45.0%で最も高かった。次いで、「災害時の避難行動マニュアルの整備」が38.5%、「社内対応体制の整備・ルール化」が37.8%、「飲料水、非常食、防災用品などの用意」が37.3%、「安否確認体制・システムの整備」が33.0%となった。

企業からは、災害避難に関する社内ルールを新たに定め、全社員への周知徹底を図ったとの声や、人命を守るために連絡網の整備や避難行動マニュアルの見直しを行いたいとの声が聞かれたという。従業員の安全確保や迅速な初動対応を重視する姿勢がうかがえるとしている。
一方、「自家発電設備の導入」は11.5%と1割台にとどまった。今回の地震では停電の解消が比較的迅速だったこともあり、費用負担の大きい発電設備を新たに導入・見直したいとする企業は限定的だった。
同社の調査では、震度5強以上の揺れを観測した熊本県内25市区町村に2万2,193社の立地が判明しており、そのうち3,782社は県外企業の拠点であるという。TSMCの半導体製造拠点がある菊陽町や周辺の大津町などでは県外企業の割合も高く、今回の震災の影響は熊本県内にとどまらず、全国のサプライチェーンへ波及する可能性があるとしている。
同社は、被災地域の早期復旧・復興が求められるとともに、企業においても代替調達先の確保や事業継続計画(BCP)の策定・見直し、社内連絡網や社内対応体制、避難行動マニュアルの整備などを進めることが重要になるとしている。
【調査概要】
調査期間:2026年8月7日~8月12日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の企業
有効回答企業:938社
<参考>
帝国データバンク『令和8年熊本地震の影響と防災に関する企業アンケート』