電気代高騰を74.2%が実感 一方で、電力会社を「一度も切り替えたことがない」人は56.4%に
ENECHANGEは、全国の20代から60代以上の2,000名を対象に「家庭向け電力切り替えサービスに関する意識調査」を実施し、結果を公表した。

調査の結果、最近、電気代が上がったと感じている人は全体の74.2%に上った。
最近、電気代が上がったと感じている人の割合は、年代が上がるほど高い傾向がみられた。50代では80.2%、60代以上でも78.9%が電気代の値上がりを実感しており、特に中高年層で生活への影響が大きいことがうかがえるとしている。また、現在の電気代に対する不満は全体で41.3%に上り、60代以上では約半数にあたる48.9%が不満を抱えているとのことだ。

電気代を安くするための工夫では、「節電(エアコン設定・照明の消灯等)」を実践している人が53.8%で最も多かった。一方、「電力会社の変更を検討」している人は8.9%にとどまり、日々の節約努力は行われているものの、電力プランの見直しにはつながっていない状況が浮き彫りになった。

電力の小売全面自由化については、「よく理解している」が19.9%、「なんとなく知っている」が50.0%となり、全体の約7割が「電力自由化」という言葉を認知していた。

一方、過去に電力会社を自分の意思で切り替えたことがあるかを尋ねたところ、「ない(最初の会社をずっと使用)」が56.4%となった。

切り替えを考えたものの、実行しなかった理由では、「結局面倒になった」が35.8%、「比較しても差がわからなかった」が33.4%、「信頼できる会社が見つからなかった」が22.5%で上位となったという。制度を知っていても、比較の難しさや手続きへの心理的ハードルが行動を阻害している、認知と行動のギャップが存在しているとのことだ。
さらに、電気代が大幅に上昇した出来事を経験した人のうち、「考えて切り替えた」人は3.7%にとどまったという。一方、「考えたが切り替えせず」は23.8%となり、電気代の高騰という直接的なきっかけがあっても、切り替えに踏み出せない人が多いことがわかった。
電力会社を選ぶ際に重視する点では、世代間で違いがみられた。20代と30代では「料金プランのわかりやすさ(隠れたコストがない)」を重視する傾向が強く、20代は27.2%、30代は31.8%だった。一方、60代以上では「信頼性・安定供給」が42.0%となり、他の項目と比べても高い割合を示した。50代では「料金の安さ」が41.8%で最も高く、コスト意識が目立つ結果となった。

切り替えを考えていない理由にも、世代による違いがみられた。20代・30代では、「手続きが面倒」が13〜17%、「今の電力会社に不満がない」が41〜46%となった。40代・50代では、「今の電力会社に不満がない」が28〜30%、「メリットがなさそう」が16〜18%だった。60代以上では、「今の電力会社に不満がない」が32%、「メリットがなさそう」が16%となったという。
全年代を通じて共通している最大の理由は「今の電力会社に不満がない・満足している」であり、特に20代では46.5%、30代でも約41%がこの理由を挙げた。「不満がないからわざわざ切り替える必要がない」という現状維持の心理が、切り替えを防いでいる実態が浮かび上がったとしている。一方、年代が上がるにつれて、「手間に見合うメリットがなさそう」「差額が小さそう」といったコスト意識に基づく理由が増える傾向もみられたとのことだ。

切り替え経験者761名に満足度を尋ねたところ、「とても満足」が10.5%、「やや満足」が39.8%となり、合わせて50.3%が結果に満足していると回答した。また、実際の切り替え手続きについては、「想像よりずっと簡単」が13.9%、「想像より簡単」が33.6%で、合わせて47.5%が事前のイメージよりもスムーズに手続きできたと感じていた。切り替えに対する「面倒そう」「難しそう」というイメージと、実際の経験には乖離があることがわかった。

電力の小売全面自由化は2016年4月に始まり、2026年で10年を迎える。「電力自由化」という言葉の認知度は全体で約7割に達した一方、世代別では差がみられた。20代では30.5%が「全く知らない」と回答し、60代以上の4.3%と比較して約7倍の差があったという。さらに、「新電力」という言葉については、20代の51.8%が「聞いたことがない」と回答しており、若い世代ほど制度そのものへの接触機会が少ない実態が浮かび上がったとのことだ。
ENECHANGEは、この認知の逆転現象について、電力の小売全面自由化が若い世代に十分に伝わっていないことを示しているとしている。60代以上は長年にわたる電力関連のニュースや料金改定の経験から制度を知っている一方、20代・30代はそもそも電気契約を自分で選べるという発想自体を持っていない可能性があるとのことだ。
【調査概要】
調査対象:全国の20代〜60代以上の男女
有効回答数:2,000名
調査方法:インターネット調査
<参考>
ENECHANGE『家庭向け電力切り替えサービスに関する意識調査』