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タイパ意識は61.0%、プライベートでAI利用は51.9%に 時間は「タイパ&メンパ」の二刀流へ

セイコーグループは、全国の15歳から69歳の男女を対象に、生活者の時間に関する意識や実態を探る調査「セイコー時間白書2026」を実施し、結果を公表した。

同社は、6月10日の「時の記念日」にちなみ、2017年から生活者の時間に対する意識や実態を探る調査を実施し、毎年「セイコー時間白書」として発表している。10回目となる今回は、タイパとAI、時間の使い分け、時間感覚の3つのテーマを中心に調査を行ったとしている。なお、同調査では、タイパを生活における時間対効果と定義し、時短や効率性だけでなく、回答者自身が豊かだと感じる時間の使い方も含めて聴取しているとのことだ。また、心の充足感や納得感、人とのつながりなど精神的な満足度を重視する時間価値を「メンパ」と定義している。

■タイパ意識は61.0%、プライベートでのAI利用は51.9%に

調査の結果、タイパ意識については、61.0%が「タイパを意識して行動」しており、65.8%が「タイパを重視する考え方は社会に定着」していると回答した。2025年調査と比較すると、「タイパを意識して行動」は60.4%から61.0%へ、「タイパを重視する考え方は社会に定着」は62.1%から65.8%へ上昇し、個人の行動面でも社会認識の面でもタイパの定着が進んでいるという。

タイパ意識について

時間の使い方については、「タイパを常に意識して過ごしたい」と回答した人が32.7%となり、2025年の29.8%から2.8ポイント増加した。一方で、「本当はタイパを考えず過ごす時間も欲しい」と回答した人は41.2%で、2025年の43.2%から2.0ポイント減少した。また、「タイパがよい過ごし方をすることは豊かな生活時間の使い方だと思う」と回答した人は39.3%で、「思わない」の28.7%を上回った。さらに、「時間効率を高められると心が満たされる」と回答した人は41.4%となり、2025年の37.8%から3.6ポイント上昇したとのことだ。

時間の使い方について

AIの活用については、「AIは自分の日常に浸透していると思う」と回答した人が52.1%となり、2025年の46.3%から5.8ポイント増加した。「プライベートでAIを利用している」と回答した人は51.9%で、2025年の31.8%から20.1ポイント増加し、半数を超えたという。また、「AI機能を使って時間効率を高めている」と回答した人は38.3%で、2025年の31.1%から7.3ポイント増加した。今回新たに聞いた「予定の組み立て方や時間の使い方についてAIに相談することがある」は30.1%となり、約3人に1人が日常的な意思決定の場面でAIを相談相手として活用していることが分かったとしている。

AIの活用について

利用したことがあるAI機能では、「仕事の相談に乗ってもらう」が23.6%で最も多く、「人生相談に乗ってもらう」が23.0%、「愚痴を聞いてもらう」が21.4%で続いた。ほかにも、「食材からレシピや献立を提案してもらう」が18.4%、「イラストやイメージ動画を生成する」が18.3%、「優しい言葉をかけてもらう・慰めてもらう」が17.8%となり、仕事や生活、感情面までAIの利用場面が広がっているという。年代別では、10代の利用率が高く、50代・60代は相対的に低い傾向が見られたとのことだ。

利用したことがあるAI機能

■「何もしない時間は必要」74.3%、メンパ時間を重視する傾向も

一方で、効率化を追わない時間への価値も高まっている。何もしない時間について聞いたところ、74.3%が「必要だと思う」と回答し、「不必要」は9.7%にとどまった。また、「時には立ち止まってひとつのことを考えたい」は73.9%、「じっくりと考え事をするのが好きだ」は74.9%となり、AIやタイパによる効率化が進む中でも、何もしない時間や立ち止まる時間、じっくり考える時間といった「メンパ時間」を大切にする傾向が見られたとしている。

時間の使い方について

タイパ的ではない時間の使い方にも年代差が見られた。「好きなお店に並ぶ時間は気にならない」は全体で41.3%だったが、10代では59.5%、20代では49.5%と高く、50代では28.5%だった。「手間がかかるものごとに惹かれる」は全体で35.7%、10代で41.5%、20代で47.5%となった。また、「答えがないことをモヤモヤと考える時間が欲しい」は全体で47.9%、10代で57.5%、20代で58.5%となり、若い世代ほど時間がかかることや答えの出ないことを考える時間を求める傾向があるという。

タイパ的ではない時間の使い方

■短縮したい時間1位は「テーマパークの行列」、時間短縮にお金を使った人は32.0%

短縮したい時間を聞いたところ、1位は「テーマパークの行列に並ぶ時間」で48.1%、2位は「人気の飲食店の行列」で44.9%、3位は「SNSやネットを見る時間」で43.0%だった。年代別では、「SNSやネットを見る時間」を短縮したい人は高校生で55.5%、10代で52.5%となり、半数を超えた。一方、長くてもかまわない時間は、1位が「一人で過ごす静かな時間」で57.2%、2位が「誰かと食事をする時間」で46.5%、3位が「自分へのご褒美を選ぶ時間」で41.7%だったという。

短縮したい時間と長くてもかまわない時間

時間短縮のために追加でお金を支払った経験については、全体の32.0%が「ある」と回答した。年代別では20代が47.5%で最も高く、約半数が時間短縮のためにお金を使った経験を持つことが分かったとのことだ。

時間短縮のために追加でお金を支払った経験について

良い時間の使い方については、「夢中になったり没頭できること」が65.2%で最多となり、「気持ちが落ち着いたり整ったりすること」が59.0%、「自分が納得できる選択ができていること」が58.3%で続いた。一方、「できるだけ早く効率よく終わらせられること」は46.4%、「無駄がなく合理的に進められること」は45.4%となり、効率や合理性よりも、没頭感や納得感、気持ちの安定を重視する傾向がうかがえるとしている。

良い時間の使い方と思うもの

この数年で時間の使い方や考え方が変わったかを聞いたところ、58.7%が「変わった」と回答した。変化の内容としては、「多少時間がかかっても、自分が納得できる選択をしたいと思うようになった」が74.6%、「効率がいいかより、自分にとって心地よいかを基準に考えることが増えた」が67.3%となった。また、63.6%が「効率化したい時間と、あえて効率を求めたくない時間を使い分けている」と回答し、自分軸でタイパ時間とメンパ時間を使い分ける傾向が広がっているという。

時間の使い方・考え方の変化

■88.7%が他人との時間感覚のズレを経験、80.8%は「違って当然」と回答

時間感覚については、「少し早め」とは何分前を指すかを聞いたところ、「10分前」が52.6%で最多となった。一方で、「5分前」が10.6%、「20分以上前」が8.4%となり、同じ表現でも時間感覚に差があることが分かった。

「少し早め」は何分前を指すか

また、「なる早で」と言われた場合については、「だいたいの緊急度は文脈から判断できる」が32.6%、「相手との関係性や状況から大体察する」が30.8%だった一方で、「具体的にいつまでなのかわからず判断に迷う」「急ぐべきなのか余裕があるのかわからない」「自分のスケジュールをどう調整すべきか悩む」「相手に確認しづらい」のいずれかに該当する人は35.9%となり、約3人に1人が悩んでいることが分かったとしている。

「なる早で」と言われた場合

他人との時間感覚については、88.7%が「時間感覚が合わない経験がある」と回答した。内訳は、「よくある」が13.1%、「時々ある」が42.8%、「たまにある」が32.9%だった。時間感覚が合わないときの対応では、「できるだけ周囲に合わせるようにした」が86.3%、「具体的な時間を伝えるようにした」が83.3%、「お互いにすり合わせるようにした」が73.4%と、歩み寄りの行動が多く見られた。一方で、「合わない人だと思った」は85.1%、「相手との付き合いを面倒だと感じた」は82.8%、「相手と距離を置いた」は69.5%、「相手とケンカや言い合いになった」は45.4%となり、時間感覚のズレが人間関係に影響するケースもあるという。

時間感覚が合わない経験と合わない時の対応について

時間感覚の考え方では、80.8%が「時間の感覚が人によって違っていて当然」と回答し、72.1%が「時間感覚が違う場合はその都度すり合わせればよい」と回答した。全員が同じ時間感覚を持つ必要はなく、人によって違うことを前提に考える人が多くなっているとしている。

時間感覚の考え方

時間に関する今どきの選択では、「ドラマや番組をリアルタイムではなく後から見ることが多い」が40.6%、「休み時間や空き時間を誰かと過ごすより一人で使うことが多い」が39.5%、「流行や話題をみんなと同じタイミングで追わなくても気にならない」が38.5%となった。また、「一人でご飯を食べることが増えている」は25.1%、「同時に集まらなくても、グループチャットやSNSなどで連絡が取れれば十分だと感じる」は24.6%だったという。

時間に関する今どきの選択

共有する時間に対する考え方では、「世代によって時間の共有に対する感覚は違うと思う」が73.4%、「必要なときだけ共有できれば十分だと思う」が67.0%、「自分のペースで使える時間が増えて心地よい」が61.0%だった。一方で、「本当はもっと一緒に過ごす時間があった方がいいと思う」は49.4%、「以前より人との時間が減った気がして少し寂しい」は38.4%となり、時間共有の多様化を受け入れつつも、人と過ごす時間の減少に寂しさを感じる人もいるとのことだ。

共有する時間に対する考え方

■時間感覚タイプは「バランス型」が最多、10年間で“何もしない時間”の価値も上昇

また、時間学の専門家である一川誠氏の監修のもと、現代人の時間感覚を4タイプに分類した。人や場に合わせ時間を調整する「バランス型」が34.3%で最も多く、自分の裁量で時間を組み替える「マイペース型」が27.5%、自分の時間を守り集中する「マイルール型」が21.5%、時間はみんなでそろえるものと捉える「シンクロ型」が9.2%だった。いずれか一つのタイプに固定されない「境界型」は7.5%となった。

現代人の時間感覚4タイプ

年代別では、バランス型は高校生で40.0%、10代で39.5%と高く、マイペース型は50代で31.5%、60代で33.5%と高い傾向があったという。同社は、年齢を重ねて時間的・心理的な余裕が生まれることで、自分のペースで時間を味わう人が増える可能性があるとしている。

時間白書の10回目にあたり、定点観測の結果も示された。普段、時間に追われていると感じる人は2026年で63.4%となり、2025年の64.0%と大きな差はなかった。1日24時間では足りないと感じる人も56.7%で、2025年の56.9%とほぼ同水準だった。過去10年を通じて、生活者の半数以上が時間に追われ、24時間では足りないと感じ続けているという。

普段の時間の感覚について

時間の使い方では、「朝活に取り組んでいる」が29.8%、「1分でもムダにしたくない」が37.7%、「やることがない時間が出来るとつい不安になってしまう」が33.2%となり、いずれも定点観測で過去最大となった。一方で、「何もしない時間」を大切にしたい人は56.1%、増やしたい人は50.0%となり、2021年以降増加傾向にあるとしている。

時間の使い方について

自分にとっての1時間の価値については、仕事・家事・勉強をするオンタイムが平均4,836円、プライベートなオフタイムが平均11,305円となった。2025年と比較すると、オンタイムは4,780円から57円上昇した一方、オフタイムは12,727円から1,423円低下したという。2017年と比較すると、オンタイムは31.8%、オフタイムは79.5%上昇しているものの、ここ数年はオンタイムが横ばい、オフタイムは減少傾向にあるとのことだ。

自分の1時間の価格(平均)

1週間の中で最も大切にしたい時間は、1位が「金曜日PM10時台」で4.3%、2位が「土曜日PM9時台」で3.8%、3位が「土曜日PM10時台」で3.3%だった。オフタイムが始まる金曜日の夜が、2025年に続き最も大切にしたい時間となったとしている。

「何もしない時間」の価値と1週間の中で最も大切にしたい時間

<参考>
セイコーグループ『セイコー時間白書2026

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