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不登校を“問題”から“分岐点”に変える 海外留学EFが描く「当たり前の進路」にとらわれない社会

「学校に行かない」という選択をする子どもが、いま確実に増えている。こども家庭庁の調査によると、不登校児童生徒数は12年連続で増加し、2024年には35万3,970人と過去最多を記録した。

もはや「子どもの不登校」は、一部の家庭の問題ではなく、日本社会全体で向き合うべき構造的な課題となっている。

また、文部科学省の調査では、中学時代に不登校を経験した人が20歳時点で「非就学・非就業」である割合は18.1%にのぼり、同年代の全国平均2.3%と比較しても極めて高い水準にある。

この現状は、既存の教育システムから外れることが、将来の選択肢を狭めてしまうリスクを孕んでいることを示唆している。

こうした既存の教育が抱える「構造的な課題」に対し、新たな視点を提示するのが、世界各地で教育事業を展開するイー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン(以下、海外留学EF)だ。

本記事では、海外留学EFのカントリーマネージャー・伊東 グローニング 七菜氏へのインタビューを通して、不登校という状況を捉え直す視点を探る。

同社はそれを「問題」ではなく、豊かな学びの環境を見つけるための「分岐点」と位置づける。その考え方をもとに、現代の不登校増加の背景や対策、さらに留学という新たな進路の可能性を通した社会課題の解決について紐解いていく。

グローバル視点で見直す 日本の教育環境と生徒のミスマッチ

「不登校」という国内の教育課題に対し、なぜ「留学」に携わる企業が有効に機能するのか。

伊東氏は、不登校の増加という日本の教育現場の現状について、学生一人ひとりの個性と、画一的な教育環境との間に生じているミスマッチが背景にあると分析する。

「『学校に行けない』という事実を問題視するのではなく、むしろ、子どもにとってより適した環境や学び方を見つけるための、大切な分岐点として見つめ直すべきだと考えています」

日本と海外における「学校に通わない期間」への捉え方の違いがポイントだと指摘する。

「日本では教育が『途切れることのない一本道』と捉えられがちで、そこから外れることが『脱落』や『停滞』とネガティブに解釈される傾向にあります。

しかし、私たちが接しているグローバルな教育現場では、その期間は自分を見つめ直すための『ギャップイヤー』や次のステップへ進むための必要な『充電期間』として、ポジティブに捉えられています」

海外では進学前に「ギャップイヤー」として多様な経験を積む文化が根付いている。学校へ通うことだけを唯一の正解とせず、異なる環境に身を置くことで自分を再構築する。そうした柔軟な選択肢が、日本と海外の文化の大きな違いとだと伊東氏は強調する。

多様な価値観に触れ育まれる、自分軸で人生を選ぶグローバルな視点

日本の環境に息苦しさを感じる生徒にとって、既存の価値観から離れ、自分に合った環境を選ぶ経験は、その後の人生にどのような影響を与えるのだろうか。伊東氏は、その経験を得た気づきを交えてこう語る。

「大切なのは『完璧に自分を理解してくれる場所』を探すことではなく、自分が心地よいと感じられるコミュニティや仲間を見つけていくことです。

多様な価値観に触れることで、『周りと比べてどうか』ではなく『自分はどうしたいか』という自分軸で人生を選んでいく力が育まれていきます」

そうして育まれた自分軸で人生を選ぶ力は、留学に留まらず、進路選択のあり方にも影響を与える。海外留学EFでは、幅広い進路選択の可能性を現実のものとするため、語学学習にとどまらない実践的なプログラムも展開している。

例えば海外での就労を見据えた「ジョブクラブ」では、バリスタ研修など実践的なスキル習得の機会を提供。

語学力に加え、異文化環境で働くための基礎を身につけることを目的とした取り組みを通して、留学は単なる経験にとどまらず、「その先の選択肢」を具体的に考える契機にもなり得ることを証明している。

世界を舞台に生きる力を 既存の枠組みを超えた「新しい教育」の展望

海外留学EFが描くのは、日本の教育の枠組みを超えた「新しい進路選択」の在り方を広げていくことだ。留学を「特別な一大決断」ではなく、より多くの人にとっての「身近な選択」として定着させることを目指している。

その一環として、日本を訪れている海外留学生と国内の通信制学校の生徒が、スポーツ大会などを通じて直接交流する機会を設け、海外を「意外と身近な存在」と実感するきっかけづくりを進めている。

「私たちが提供したいのは、『世界を舞台にして生きていく力』です。語学の習得はその第一歩に過ぎません。異なる文化や価値観の中でコミュニケーションを取り、自立して生活する経験こそが、従来のキャリアパスに縛られない、より自由な生き方を可能にします」

今後も、2週間の短期プログラムから1年単位の長期留学まで、多様なプログラムを通じて、一人ひとりに最適な留学機会の提供を強化していくという。

「必ずしも、進路は日本の中だけで完結させる必要はありません。世界には、まだ出会っていない自分を活かせる場所が必ずあります」

そうした視点が広がることで、画一的な進路観に縛られない選択肢は、より現実的なものになっていくはずだ。留学という選択肢が、「特別な決断」から「1つの当たり前」へ。海外留学EFの取り組みは、日本の教育に残る“見えない前提”を問い直している。

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