ラーメン店倒産は2025年59件、前年比25.3%減 「プレミアム体験」やDXで生存戦略が変化
帝国データバンクは、「ラーメン店」の倒産発生状況について調査・分析を行い、結果を公表した。
帝国データバンクによると、2025年に発生したラーメン店経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は59件で、前年の79件から20件・25.3%減少し、4年ぶりに前年を下回った。同社は、倒産増加が続く飲食店業界のなかで、ラーメン店は倒産急増の局面から転換期を迎えた1年になったとしている。

2025年のラーメン店倒産を資本金規模でみると、資本金「100万円未満」が占める割合は42.3%に上った。前年から割合が上昇した一方で、半数に迫った2019年と比べると大幅に低下し、「小規模店」の淘汰が一服したとのことだ。
一方で、ラーメン店を取り巻くコスト環境は厳しい状況が続いているという。小麦や野菜、油脂類などの原材料価格の高止まりが続くなか、ラーメンで使用する原材料のトータルコスト推移を示す「ラーメン原価指数(豚骨ベース、東京都区部)」は、2020年平均を100とした場合、2025年の原価指数が141になった。

こうした環境下で、同社はラーメン業界の生存戦略が変化していると整理している。個人の技量や職人技から生まれる味を競い合い顧客を獲得する「個」としての戦い方から、1杯3000円を超える「プレミアムな体験」の価値提供、サプライチェーン管理やDX化などを含む高効率経営によって生き残りを図る「集団」としての戦い方へ変貌しつつあるとしている。
生き残ったラーメン店の経営の特徴として、2025年に売り上げ規模の拡大から転換し、同業他社や他の外食産業との競合を前提に、客数が少なくても利益が出る体質へ転換する動きがみられた。具体例として、ラーメン原価の多くを占めるスープの調理コストを抑えられ、オペレーションの簡略化にもつながる「汁なし麺」業態の拡大、半完成品から調理可能なセントラルキッチンの活用、キャッシュレス券売機の導入などを挙げ、「少ない人数で最高のパフォーマンスを出す」取り組みが進んだとしている。加えて、ラーメン店経営の厳しさが認知されたことで、値上げに対する理解が消費者に広まった点も追い風になったという。
さらに同社は、ラーメン業界の集約が進んでいるとも述べている。新たな看板ブランドを求めるラーメン大手や外食チェーン、投資ファンドなどが、後継者不足やコスト高で経営に苦しむ中小ラーメン店を吸収し、DX化などのノウハウを注入して再生させる動きがある。2026年に向けては、「味の追求」に専念する各ラーメン店と、スケールメリットを生かした高効率経営を主導する中核企業との「分業」が進み、規模に応じた最適な経営形態を追求する「ラーメン・コングロマリット」化がより鮮明となりそうとのことだ。これにより、特徴がありながら経営危機にひんしたラーメン店が「倒産」という形で事業を終えるケースは、今後減少傾向で推移する可能性があるとしている。
【調査概要】
集計期間:2000年1月1日~2025年12月31日
集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産
定義:「ラーメン店」は、飲食店業態のうち「ラーメン」メニューの提供を行っている事業者
<参考>
帝国データバンク『「ラーメン店」の倒産動向(2025年)』