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親の約6割が「介護は配偶者に任せたい」と回答 子は長男・長女想定、親子間の意識差が浮き彫りに

LIFULL seniorが運営する老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」は、親と子それぞれを対象に「介護の担い手に関する意識調査」を実施し、結果を公表した。

「介護の担い手に関する意識調査」

■親は「配偶者」、子は「長男・長女」を想定 介護の担い手で親子に認識差

親の介護の主な担い手について尋ねたところ、親側では「配偶者」が59.8%と最も多く、「介護サービスなど専門スタッフ」が28.8%で続いた。一方、子供側では「長男」が30.1%、「長女」が24.3%となり、親子間で意識に大きな差がみられた。

特に「長男」を主担当と考える割合は、親側が15.4%であったのに対し、子供側は30.1%と約2倍に達した。親側は子供への負担を避けたい意識が強い一方、子供側では依然として「長男・長女が担うべき」とする考えが根強い状況が示されたとしている。

親の介護の主な担い手について

また、親側が想定する「配偶者」による介護は、高齢者同士の介護となる老老介護につながる可能性が高く、介護疲労による共倒れのリスクが指摘される結果となった。

■老後の話し合いは住まい中心 費用や役割分担は4割未満

親の老後や介護について家族で話し合った内容を尋ねたところ、「親が老後を過ごす場所について」が61.0%、「希望するケア・治療について」が52.4%と、住まいや医療方針に関する項目は5割を超えた。

一方で、「費用について」は44.4%、「家族の役割分担について」は41.2%にとどまり、「資産の管理について」は31.6%、「お墓について」は30.7%と、実務的な負担や終活に関する項目は3〜4割程度にとどまった。

親の老後や介護について家族で話し合った事柄

住まいの希望は共有されていても、誰がどの程度関わり、費用をどう分担するのかといった整理ができていない家庭が多い実態が浮き彫りとなった。

■子は積極支援を想定、親は「何もしなくて良い」が最多

要介護状態になった際の子供によるサポート内容について、親側は「何もしなくて良い」が31.0%で最多となり、「別居し多くを専門家に任せた最小限の関わり」が29.0%で続いた。

一方、子供側は「別居しながらできる範囲で身の回りの世話」が36.0%、「金銭的な支援」が35.3%、「悩み相談・話し相手」が30.8%と、幅広い支援を想定していた。「何もしたくない」と回答した子供は13.3%にとどまった。

要介護状態になった際の子供によるサポート内容

しかし、親側で「何もしなくて良い」と回答した人のうち、子供の手を借りない老後の過ごし方について「積極的に調べている」としたのは5.2%にすぎず、「特に情報収集はしていない」が54.8%、「必要性は感じているがほとんど調べていない」が20.6%となった。8割以上が十分な情報収集を行えていない実態が明らかとなった。

子供の手を借りない老後の過ごし方についての情報収集

■施設入居の判断基準もズレ 「仕事との両立」を子は重視

施設入居を検討するタイミングについては、親子ともに「一人での入浴・着替えが難しくなったら」(親側41.8%、子供側31.5%)、「一人での排泄ができなくなったら」(親側35.6%、子供側33.6%)が上位となった。

一方で、「サポートする家族が仕事と両立できなくなったら」と回答した割合は、子供側が23.4%だったのに対し、親側は7.4%にとどまり、3倍以上の差がみられた。また、「転倒が増えたら」についても、子供側19.6%、親側8.8%と認識の差が確認された。

施設入居を検討するタイミング

同調査にあわせて、LIFULL介護編集長は、親は子供に負担をかけたくないと考える一方で、将来に向けた準備が進んでいない実態を指摘した。介護方針や役割分担、費用、延命治療、資産管理などを元気なうちに整理することの重要性を示し、エンディングノートの活用などを紹介している。

<参考>
老人ホーム検索サイト『LIFULL 介護』『介護の担い手に関する意識調査

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