「副業アニメ リスクワ」を制作する事業家集団は、(1)20代の会社員/(2)40代の会社員を対象に、「昇進と副業の意識」に関する調査を実施し、結果を公表した。

■給料が見合っていない!と感じる人は管理職でも多い?

はじめに、「現在の役職」について尋ねたところ、20代は、昇進前の段階で経験を積む時期にあり、組織の中で「指示を受ける立場」が中心であることがうかがえる結果に。

対して、40代は昇進経験者が一定数存在し、責任を担うポジションに就く傾向が強まっている。

現在の役職

「今の役職に対して給料が見合っていると思うか」と尋ねたところ、一般社員(メンバー)/管理職以外の役職、管理職ともに、「給料が見合っていない」と感じる方が約半数いることがわかった。

特に、管理職でも満足度が高くない点は、責任や業務量の増加に対して報酬が十分でないと感じる構造的な課題があるのかもしれないと同社は考察している。

今の役職に対して給料が見合っていると思うか

また、前の質問で「あまり思わない」「まったく思わない」と回答した人に、「給料が見合っていないと感じる理由」について尋ねたところ、一般社員(メンバー)/管理職以外の役職は、「業務量の多さ」や「同業他社の同じ役職と比較して低い」「労働時間の長さ」が不満の中心となった。

一方、管理職は「同業他社の同じ役職と比較して低い」や「業務量の多さ」「部下や同僚の給料と比べて差が無い」など、相対的な待遇面への不満が目立つ結果に。

給料が見合っていないと感じる理由

■現在の職場で管理職になりたいと思う人、20代は約4割いる一方40代は約3割と減少傾向に

「現在の職場で管理職になりたいと思うか(現在管理職の人は、管理職でなかった場合を想定して回答)」と尋ねたところ、40代では昇進への意欲が低下しており、現在の職場で管理職になりたいと思う人は約3割に。

一方で、20代では約4割が「管理職になりたいと思う」と回答しており、若年層の方がキャリアアップに関心を持っている傾向が見られたという。

前の質問で「とても思う」「やや思う」と回答した人に、「管理職になりたいと思う理由(現在管理職の人は、管理職でなかった場合を想定して回答)」を尋ねたところ、両年代ともに「収入の増加」が管理職になりたいと思う理由として最多になり、経済的な動機が強くあらわれる結果に。

また、「キャリアアップ」や「裁量権を持ちたい」といった前向きな動機も共通して見られた。

管理職になりたいと思う理由

一方で、管理職になりたいと「思わない」と回答した人はどのような点を懸念しているのか。

先ほどの質問で「あまり思わない」「まったく思わない」と回答した人に、「管理職になりたくないと思う理由(現在管理職の人は、管理職でなかった場合を想定して回答)」と尋ねたところ、年代を問わず「責任の重さ」や「業務量の増加」を懸念する声が多く、昇進に慎重な姿勢がうかがえた。

特に、40代では「ワークライフバランスを守りたい」という回答が20代よりも多く、家庭や私生活との両立を重視する傾向が見られた。

管理職になりたくないと思う理由

■現在副業をしている方は少数。副業をしている、していない理由とは?

キャリアの選択肢として、収入や働き方の自由を求める意識も広がっているが、その中で「副業」に取り組む方はどの程度いるのか、「現在、副業をしているか」と質問。

その結果、20代では4人に1人が副業を行っており、40代よりも積極的な傾向が見られた。

現在、副業をしているか

前の質問で「はい」と回答した人に、「副業を始めた理由」を尋ねたところ、「収入アップのため(71.5%)」が圧倒的に多く、「物価や生活コスト上昇に対応するため(31.8%)」「新しいスキルを習得するため(23.8%)」となった。

副業を始めた理由として最も多かったのは「収入アップ」で、大多数が生活の安定や将来への備えを目的に副業を始めたことが判明。また、物価や生活コストの上昇が続く中で、本業の収入だけでは不安を感じる人が増えていると同社は考察。

一方で、「新しいスキルを習得したい」といった前向きな動機も見られ、副業が収入補填の手段にとどまらず、自己成長やキャリア拡張の場としても活用されていることがうかがえる結果に。

副業を始めた理由

また、前の質問で「いいえ」と回答した人に、「副業をしていない理由」を尋ねたところ、20代では「会社規定で禁止されている」が最も多く、制度的な制約が大きな障壁となっていることが判明。

次いで「ワークライフバランス」や「税務や手続きの煩雑さ」も挙げられ、時間や労力への懸念が背景にあることがうかがえる結果に。

一方、40代では「ワークライフバランスを守りたい」が最多で、20代よりも家庭や私生活との両立を重視する傾向が強く見られた。

副業をしていない理由

■約7割が昇進より副業に魅力を感じていることが判明

「昇進により増える責任やプレッシャーと比べて、副業で収入を増やすことに魅力を感じるか」と尋ねたところ、約7割が「とても感じる(25.1%)」「やや感じる(42.8%)」と回答。

多くの人が「昇進より副業の方が魅力的」と回答しており、収入を増やす手段として副業を前向きに捉える傾向が見られ、責任や負担を伴う昇進よりも、自分の裁量で収入を得たいという意識が高まっているようだと同社は考察している。

昇進により増える責任やプレッシャーと比べて、副業で収入を増やすことに魅力を感じるか

<参考>
事業家集団『「昇進と副業の意識」に関する調査