小田急電鉄は、2029年3月に就役予定の新型ロマンスカーについて、開発コンセプトを「きらめき走れ、ロマンスカー」とすることを決定したと発表した。同社は2024年9月に設計へ着手し、コンセプトやデザインの検討を進めてきたもので、車両形式は80000形、編成は7両、台車方式はボギー車とするという。

新型ロマンスカーは、多摩川や相模湾、芦ノ湖など「水」と関連する風景に恵まれた沿線環境をテーマに開発されている。また同車両は、EXE(30000形)の代替かつVSE(50000形)の後継として位置付けられ、箱根登山線への乗り入れにも対応する仕様とする。車両コンセプトには、水面が陽光できらめくように、乗車する度に人々の心を動かす体験を届けたいという思いを込めたという。
外観デザインでは、VSE(50000形)の後継車両として展望席を設置し、その展望席と運転席を大型の曲面ガラスで一体的に包む構造とする。車体カラーは淡い水色を基調とし、連結部には伝統色の「バーミリオンオレンジ」を施す。また、車体側面には水面の波紋を想起させる「ゆらぎ」を設け、瑞々しさや柔らかさを表現するとのことだ。

設計は今後、デザインを担当したCOA一級建築士事務所とともに、鉄道・非鉄道部門を横断して詳細設計を進めるという。さらに、沿線の自然と調和する車両となるよう、多様な用途に応える座席種別の導入、大型窓による風景の演出、高い環境性能の確保、メンテナンス省力化などを盛り込む計画だとしている。
