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LIXIL住宅研究所では、子育て世代において持ち家が幸福度に強く影響を与えている実態や現代の家族が住まいに求める本質的な役割などをまとめた「住まいと家族の幸福度に関する調査研究報告書」を発表した。
■新築戸建て所有者では、8割以上が「持ち家は幸福度を高める」との意識
新築戸建て所有者に「持ち家によって将来の幸福度が増すと思うか」と聞いたところ、「とても幸福度が増すと思う」と「少し増すと思う」を合わせて80.6%となり、8割以上が「持ち家は幸福度を高める」と考えていることが分かった。
この結果は、持ち家が単なる住まいではなく、心理的な安定や家族の安心感に強く結びついていることを示唆していると同社は考察している。

■子育て世代(20〜40代)は全世代平均より幸福度が高い
20代から40代の子育て世代を対象とした生活全般の幸福度(10段階評価)の平均値は6.7点となり、日本全体の平均6.1点(※)を上回った。
子育て世代が高い幸福度を維持できている背景には、「成長を見守る喜び」や「幸福な時間が増えた」といったポジティブな実感があげられた。また、家族との関係性を重視する日本の文化も、幸福感を支える要因になっていると同社は考察している。

■新築戸建てはマンションよりも幸福度・満足度とも高い
住居形態ごとの幸福度と家への満足度を比較した結果、新築戸建てに住む人々の幸福度の平均は6.9点で、マンション居住者の平均6.6点、新築注文住宅を検討中の人々の平均6.7点を上回った。
家そのものへの満足度においても、新築戸建ての平均は7.1点であるのに対し、マンションは6.7点にとどまった。特に、高満足度層(9点以上)の割合は戸建てが23.5%と、マンションの11.3%を大きく上回り、戸建ての方が「家に対する強い満足」が得られやすいことが明らかになった。
その背景には、戸建ての持つ設計自由度の高さや、家族のライフスタイルに合わせやすい柔軟性が影響していると考えられる。

■幸福度を高める最重要要因は「心の健康」と「信頼できる家族の存在」
幸福度を高めるために重要だと考える要因について聞いたところ、「心の健康」が最も多く、次いで「信頼できる家族の存在」があがった。
同結果は、幸福が収入や財産といった物質的な要素よりも、精神的安定と家族の支えによって強く影響を受けることを裏付けている。また、家族が信頼し合える環境は、物質的な豊かさよりも幸福度に大きな影響を与えることがデータから読み取れる。
■幸せに暮らす家の条件トップは「子育てのしやすさ」
「あなたに幸せをもたらしてくれる家の条件は何か」という問いに対し、最も多い回答は「子育てがしやすいこと」だった。これは、親が安心して家事を行える環境が子どもの安全性と親の心理的安定の両方を守り、家族全体の幸福度を押し上げることを示唆している。
続いて「家族でくつろげるリビング」、「日当たりの良い部屋」がトップ3に入り、いずれも家族のコミュニケーションを促し、心身の健康を支える住環境の重要性を示す結果となった。
(※)ワールドハピネスレポート2024より(https://data.worldhappiness.report/table)
<参考>LIXIL住宅研究所『住まいと家族の幸福度に関する調査研究報告書』
