栗林商船は、RORO船(※)「神明丸」の運航を開始し、運航船舶を従来の5隻から6隻体制に増強したと発表した。

栗林商船、RORO船「神明丸」を運航開始

同社は今回、日本の物流網の主要幹線である東京~大阪間や同社の独自航路である仙台~大阪間等において、同船を加えて増便。これまで以上に輸送能力を強化し、物流の安定化および海上モーダルシフトのさらなる推進への期待に応えるという。

海上モーダルシフトの活用により、一例として仙台~大阪間では、トラック輸送に比べ、1台あたりのCO2排出量が2.32t-CO2削減可能になるとしている。この削減量は、一般的なガソリン乗用車が1年間に排出するCO2量に匹敵するという。

【左】仙台~大阪航路のCO2削減イメージ、
【右】東京~大阪航路のCO2削減イメージ(いずれも載貨重量20トンで算出)

また同社は、今回の増便により、大阪港をはじめとする主要港への寄港回数を増やし、東京港~大阪港のほか、仙台港~大阪港等の主要都市間の輸送利便性を大幅に向上させるとのことだ。

大阪港寄港回数を増大、仙台~大阪間も拡充

なお、同社の定期運航率は2024年度実績で98.78%となっており、悪天候・災害による陸路や鉄道が遮断された場合のBCP(事業継続計画)対策・強化にも役立てること可能だという。

そのほか同社は、長時間労働の是正とドライバー不足にも対応するとしている。

東京・大阪間の陸送では概ね10~12時間を要していたトラック運転時間を、同社のRORO船を用いた海陸一貫輸送への転換により3時間にまで短縮。トラックドライバーの長時間労働抑制やドライバー不足への対応を可能にし、安定輸送を確保するという。

同社は、「2024年問題」やCO2削減等の社会の複数の課題に対する解決策を、今後も提供し続けていくとのことだ。

■各港の増便(いずれも週当たりの寄港便数)概要

東京港発
・大阪港着4便→5便
・仙台港着5便→6便
・苫小牧港着5便→6便

大阪港発
・東京港着4便→5便
・仙台港着4便→5便
・苫小牧港着4便→5便

仙台港発
・大阪港着4便→5便
・苫小牧港着5便→6便
・東京港着5便→6便

苫小牧港発
・大阪港着4便→5便
・仙台港着5便→6便
・東京港着5便→6便