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ミツモアは、「中小企業の採用管理システム導入に関する実態調査」を実施し、結果を公表した。
なお、同調査は従業員50~299名の中小企業に勤めており、採用管理システムを導入検討に携わったが、システム導入を諦めた人109名を対象に実施したとのことだ。
■56.9%が、Excel・紙で「面接スケジュール調整」を行っていると判明
「Q1.現在、Excelや紙で行っている採用関連業務(複数回答)」(n=109)を質問したところ、「面接スケジュール調整」が56.9%、「選考進捗状況の管理」が44.0%という回答となった。
入力や更新に手間がかかる面接スケジュール調整や進捗管理を紙やExcelで行っている企業が半数を超えており、未導入企業の多くがシステム化して負担を減らすことができる業務を抱えていることが判明。

■Excel・紙運用の課題は「同じ情報を複数箇所に入力する」「進捗の把握に時間がかかる」といったシステム化で解決できるものが上位に
Q1で「該当するものはない」「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q2.Excel・紙運用の課題として当てはまるもの(上位3つまで回答可)」(n=101)を質問。
その結果、「同じ情報を複数箇所に入力する必要がある」が44.6%、「選考進捗の把握・管理に時間がかかる」が42.6%、「応募者とのやり取り履歴が分散してしまう」が30.7%という回答に。
システム化による情報の一元管理で解決、短縮できる「同じ情報を複数箇所に入力する」「進捗の把握に時間がかかる」といった課題が上位に来ていることがわかった。

■44.1%が、自社の採用業務デジタル化が「他社より遅れている」と認識
「Q3.同業他社・同規模企業と比較して、勤め先の採用業務デジタル化はどの程度進んでいると思うか」(n=109)と質問したところ、「他社よりやや遅れていると思う」が29.4%、「他社より大幅に遅れていると思う」が14.7%と、約半数が「他社より遅れている」と自社の遅れを認識しているということが判明。
採用市場でのスピードや効率に差が出ていると感じる状況は、担当者にとって不安要素に。競争力を保つためには、自社の遅れを認識した段階でデジタル化に着手することが重要だと同社は考察している。

■採用管理システム導入を検討した理由は「採用にかかる時間を短縮したかった」が40.4%で最多
「Q4.採用管理システムを導入しようとした理由(複数回答)」(n=109)を質問したところ、「採用にかかる時間を短縮したかった」が40.4%と、システム化によって担当者の作業時間を減らし、より戦略的な業務に集中できる環境を作りたかったことがわかった。
さらに、「採用データを分析して採用活動を改善したかった」が33.0%、「選考プロセスでのミスや漏れを減らしたかった」が27.5%という選考改善や候補者体験の向上につながる回答が次点となった。

■システム導入で期待する効果、「採用スピード向上」(43.1%)、「ミス削減」(36.7%)と業務効率化に関する項目が上位
「Q5.勤め先に採用管理システムを導入するとして、期待する効果(上位3つまで回答可)」(n=109)を質問。
その結果、「採用スピード向上」が43.1%、「ミス削減」が36.7%、「応募者体験向上」が28.4%と、現場が日々感じている課題とシステム導入によって改善したいポイントが重なっていることがわかる回答となった。

■採用管理システム導入を断念した理由、「導入・運用コストが高すぎた」が28.4%で最多
「Q6.採用管理システムの導入を断念した1番の理由」(n=109)を質問したところ、「導入・運用コストが高すぎた」が28.4%、「現場の理解が得られなかった」が18.3%、「導入作業が大変そうだった」が17.4%という回答に。
コスト負担への不安が大きく、効果が見えにくい点が導入を止めた主因で、加えて現場の理解や導入作業のハードルもあり、意欲よりも「体制が整わないこと」が決断を妨げていることがわかった。

■一度導入を断念した担当者のうち70.7%が「条件が整えば採用管理システムを導入したい」と回答
「Q7.現在の採用管理システムの導入意向について、最も近いもの」(n=109)を質問したところ、「非常に導入したいと思う」が4.6%、「条件が整えば導入したいと思う」が66.1%と、7割以上が一度は断念したが、コストや体制といった障壁さえ解消されれば、導入を前向きに考えている企業が多いことが判明。

■検討・導入をスムーズにするサポート、「効果試算の具体的サポート」が45.0%で最多
「Q8.採用管理システムを検討・導入する上で、『これがあればもっと検討や導入がスムーズになった』と思うサポートや情報(複数回答)」(n=109)を質問。
その結果、「効果試算の具体的サポート」が45.0%、「導入・運用コストの透明性確保」が37.6%、「同規模企業での成功事例の共有」が25.7%という回答となった。
この結果に同社は、費用対効果に関する数字やコストの透明性、同規模企業の成功事例など、実際の比較検討や稟議を進めるための情報が求められていることがわかったとしている。

■システム比較に役立つ情報、「各システムの料金比較」と「導入事例・口コミ情報」が42.2%で同率1位
「Q9.採用管理システムを選定する際、複数のシステムを比較する上で役立つ情報・機能(上位3つまで回答可)」(n=109)と質問したところ、「各システムの料金比較」と「導入事例・口コミ情報」が同率で42.2%に
検討段階では、具体的な金額と、実際に導入した企業の声が参考にされやすいことが数字から明らかになり、次点で「無料相談・専門家のアドバイス」が31.2%という回答となった。

【調査概要】
調査名称:中小企業の採用管理システム導入に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2025年9月12日~同年9月16日
有効回答:従業員50~299名の中小企業に勤めており採用管理システムを導入検討に携わったが、システム導入を諦めた109名
※合計を100%となるよう一部数値の端数処理をしているため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合あり。