花王は、米国テキサス州パサデナ市に三級アミンの新生産工場を建設し、8月22日に竣工式を実施したと発表した。新工場は年間2万トンの生産能力を有し、需要が拡大する米国市場における安定供給体制を強化するとしている。

花王、米国テキサス州に三級アミン新工場を竣工

三級アミンは、殺菌剤や洗浄剤などの界面活性剤に用いられる基幹化学原料。花王はこれまで日本、フィリピン、ドイツで生産を行い、世界トップ規模の供給体制を構築してきたという。今回の米国拠点の稼働により、米州・欧州・アジアの三極生産体制が整い、グローバル市場への迅速かつ安定的な供給が可能になるとのことだ。

同社は、米州での現地生産によりサプライチェーンの効率化を図るとともに、輸送に伴うCO₂排出量削減にもつなげると説明している。

また、三級アミンは花王のケミカル事業部門における中期経営計画「K27」で注力する「グローバル・シャープトップ」領域の代表製品であり、今回の新工場は事業基盤のさらなる安定化に資するものだという。

花王のケミカル事業は、精密界面制御技術を強みとし、油脂や高分子に関する研究知見を応用した製品を展開している。生活用品分野に加え、電子材料、農業、道路資材など幅広い産業領域で供給を行っており、今後も社会課題の解決に寄与するとしている。