広島県は、2025年6月17日より食の大型プロジェクト『OK!!広島(おいしいけぇ、ひろしま)』を始動した。首都圏を中心に、広島の食の魅力や“おいしさ”を発信していくという。

2023年に開催されたG7広島サミットを契機に、広島への国内外の関心は高まっている。広島サミット県民会議によると、G7による経済波及効果は1,217億円にのぼり、宮島や広島平和記念館の来場者数は過去最多を記録。JR広島駅周辺の再整備も進み、観光客の受け入れ体制が一層強化されつつあるようだ。

こうした観光需要の高まりを背景に立ち上がった本プロジェクト。応援団長には、広島県出身のアーティストで期間限定ユニット『Ooochie Koochie』として活動する奥田民生さんと吉川晃司さんが就任。二人が登壇した『OK!!広島』の発表会を取材した。

“ひろしまブランド”の強化と観光消費額の増加を狙う

広島には、有名な「牡蠣」「レモン」「お好み焼」のほか、豊かな海が育む「瀬戸内さかな」、日本最古の血統を受け継ぐ「比婆牛」、脂がのり柔らかな食感の「あなご」など、豊富な“食資産”が揃う。さらに、県内の40を超える酒蔵で造られる「日本酒」も、国内外から高い評価を得ている。

『OK!!広島』は、「ひろしまは美味しさの宝庫である」との印象を広めることで、“ひろしまブランド”の強化と観光消費額の拡大を狙っている。

具体的には、奥田民生さんと吉川晃司さんを起用したキービジュアルやスペシャルムービーの公開に加え、食や旅に関心のある首都圏在住者をターゲットとしたポップアップストアの展開など、官民が一体となり広島県の“おいしさ”をアピールしていくという。

キックオフにあたり、湯﨑英彦広島県知事はビデオメッセージで次のように語った。

ビデオメッセージを送る、湯﨑英彦広島県知事

「G7広島サミットを機に、広島の食文化を支える職人たちへの注目が高まったことから、広島の多彩なおいしさを未来へつなぐため、“食資産・食文化”を磨いてまいりました。JR広島駅周辺も新しくなり、みなさんをお迎えする準備は万端です! 今こそ平和への思いや復興のエネルギーにあふれた広島が、その豊富な食を通して、日本中・世界中の人々を元気にしたい。その思いでプロジェクトを立ち上げました。ぜひ広島にお越しいただき、おいしさの宝庫を体感してください。お待ちしております!」

奥田民生さん・吉川晃司さんが応援団長に就任

『OK!!広島』を盛り上げるのは、1965年広島県に生まれ、今年で還暦を迎えるアーティスト・奥田民生さんと吉川晃司さん。『Ooochie Koochie』としてタッグを組み、応援団長を務める。

発表会に登壇した奥田さんは「いつもより良い衣装も着させてもらっているので、広島のために頑張ろうと思います」と笑いを誘い、吉川さんも「ビシッとふんどしを締め直して臨みます」と力強くコメント。さらに、湯﨑広島県知事も同い年であることから「知事も今年で60歳。『還暦’s』で頑張っていきます」と語り、会場を和ませた。

発表会に登壇した奥田民生さん(右)と吉川晃司さん(左)

お二人が出演するスペシャルムービーは、『OK!!広島』の特設サイトおよび公式SNSにて順次公開中。また、首都圏の主要駅構内や、街頭ビジョンなどでも順次公開される予定だ。

限定ストアと広島県内の飲食店で“おいしいけぇ”を体験

プロジェクトの一環として、東京・銀座と南青山の2カ所にて、ポップアップストアが登場。いずれも『OK!!広島』の世界観を食・展示・空間演出を通して体験できる場所となっている。

また、連携する広島県内の飲食店では、本プロジェクトにちなんだ特別なおもてなしが提供される予定だ。

■ひろしまブランドショップ TAU(銀座)

『Ooochie Koochie』の直筆サインや限定ビジュアルを展示するほか、飲食フロアでは広島県の食材を使用した特別メニューを味わえる『OK!!広島 食べん祭 2025』を開催。

開催期間:2025年7月1日(火)〜7月31日(木)
開催場所:東京都中央区銀座1-6-10 銀座上一ビルディング

■MAZDA TRANS AOYAMA(南青山)

広島が誇る自動車メーカー・マツダのブランド拠点では、「走る楽しさ」に加えて「味わう楽しさ」も体験できる空間として、“広島らしい”カフェメニューが登場予定。

開催期間:2025年 7月上旬予定
開催場所:東京都港区南青山5-6-19
定休日:月曜日

※実施時期などの詳細は、特設サイトにて随時お知らせ。

■広島県内の飲食店での取り組み

『OK!!広島』に賛同する地元の飲食店では、プロジェクトにちなんだ限定メニューやオリジナル特典など、特別な“おいしいけぇ”体験を提供。

※実施店舗・時期などの詳細は、特設サイトにて随時お知らせ。

観光需要の追い風を受け、広島県が“食資産・食文化”を通じたブランディングと経済活性化に乗り出した。新たな地域活性モデルとなるか——。その成果が期待される。