リガクは、主力生産拠点である山梨工場に新たな製造棟を竣工したと発表した。新棟はグローバルな事業成長と製品需要の拡大を見据えて建設されたもので、2025年6月初旬からの稼働開始を予定しているという。

X線分析装置のニーズが国内外で拡大する中、同社は生産体制の強化を目的として、新棟を整備したとのことだ。新棟の完成により、山梨工場の延床面積は従来の約8,500平方メートルから約23,000平方メートルへと約2.7倍に拡張された。東京に分散していた製造・組立・出荷工程も山梨工場へ集約され、業務効率の向上と安定供給が可能になるとしている。

生産能力の面では、要素部品と多目的X線分析装置の製造キャパシティを2027年までに約2倍に引き上げる計画だという。これにより、半導体・電子部品、電池・電池材料、ライフサイエンスといった成長分野への供給体制を強化するとしている。
また、同工場ではスマートファクトリー化にも取り組み、生産工程の自動化による効率化と品質向上の両立を目指すとのことだ。加えて、新棟はCO₂排出削減に配慮した建築工法を採用し、太陽光発電などの再生可能エネルギー設備も導入された。これにより、持続可能な社会の実現に寄与する「自然共生工場」として運用する方針だという。