ポケモンは、3月14日の「世界睡眠デー」を記念し、『Pokémon Sleep』の世界7カ国、約1,700万人のユーザーデータから「睡眠ソーシャルジェットラグ調査」を実施し、その結果を公表した。

■日本の睡眠時間は世界ワースト1位、一方、睡眠の規則正しさは1位

世界7カ国のユーザー1,700万人以上を対象に、起床タイミングが月曜~金曜のデータを「平日」、土曜~日曜のデータを「休日」として分析した結果、平日の平均入眠時刻は0:17、休日は0:44、平均起床時刻は平日が7:56、休日が8:50という結果に。平日と休日の入眠時刻の差は平均27分、起床時刻の差は平均54分だった。世界各国で入眠時刻・起床時刻ともに休日の方が遅くなっていた。

日本を他国と比較すると、平日と休日の入眠時刻のずれは18分と最も小さく、起床時刻は45分とトップレベルに小さいことが分かった。日本は平日の平均睡眠時間が7時間1分と最も短い国でもあったが、平日と休日の睡眠の時間帯のずれは総じて最も小さいことが明らかに。

平日休日の入眠時刻のずれ
平日休日の起床時刻のずれ
平均睡眠時間比較

なお、『Pokémon Sleep』のリリース直後から現在までプレイしている日本人において、リリース直後3カ月時点での平均睡眠時間は6時間55分だったが、同調査の対象である直近3カ月の平均睡眠時間は7時間26分と、リリースから約1年半で日本人の睡眠時間は約30分伸びていることが明らかに。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザーの平均睡眠時間推移

入眠時刻の規則正しさは、『Pokémon Sleep』内でユーザーが、あらかじめ就寝目標の時刻を入力し、その時間をめざして就寝する「ねむりの約束」を守っている割合からも検証可能。

いずれの7カ国も平日には6割〜7割前後で「ねむりの約束」を守っていた一方、休日にはその割合が5割〜6割に低下。最もその差があったのはドイツ(16.5pt)で、次いでフランス(15.3pt)、イタリア・アメリカ(同率12.7pt)という順になった。

日本は他国と比較し、平日・休日を問わず「ねむりの約束」を守っている人が多い一方、平日と休日では10pt以上の差が発生していた。

『Pokémon Sleep』ユーザー「ねむりの約束」を守る割合

加えて、日本において『Pokémon Sleep』のリリース直後3カ月時点と直近3カ月で「ねむりの約束」を守った割合を比べると、平日で8.4pt、休日で6.4pt増加しており、月日が経つにつれ規則正しく眠ろうとする意識が高まっていることが伺える。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザーの「ねむりの約束」を守っている割合比較

■日本では若い人ほど睡眠リズムが乱れていることが発覚

ソーシャルジェットラグとは、仕事・学校などで制約がある平日と、時間に比較的融通の効く休日の入眠・起床時刻のずれを指す。

このソーシャルジェットラグによって、まるで時差ぼけをしているかのような身体的・精神的な症状が引き起こされる可能性があるため、社会的時差ぼけとも呼ばれている。また、このソーシャルジェットラグを測る指標として、入眠時刻と起床時刻の中央の時刻である「ミッドスリープタイム」(睡眠中央時刻)のずれがある。

同調査では、ミッドスリープタイムが1時間以上ずれている状態をソーシャルジェットラグの該当者とした場合、世界でソーシャルジェットラグがあった人は26.1%となり、4人に1人以上が時差ぼけ状態に陥っている可能性があることが明らかに。

さらに、ミッドスリープタイムのずれが30分以上だった人は、世界平均で54.5%となり、このずれが広がることで、時差ぼけ状態になる可能性もあるという。

日本においては、ミッドスリープタイムが1時間以上ずれている人は16.5%で、世界平均26.1%と比べソーシャルジェットラグの該当者は少ない傾向に。

世界7カ国の『Pokémon Sleep』ユーザー「ソーシャルジェットラグ」該当者の割合

世代別で比較すると若年層ほど該当者の割合が高く、60代の3.1%に対して10代は26.0%がソーシャルジェットラグの該当者に。若い人は生理学的に体内時計が「夜型」になりやすく、睡眠が不規則になりがちであることが分かった。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザー「ソーシャルジェットラグ」該当者の割合<年代別>

■ソーシャルジェットラグを知らない人は日本で88%超

日本の『Pokémon Sleep』ユーザーに実施したアンケート調査では、ソーシャルジェットラグを88.7%の人が知らないと回答。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザー「ソーシャルジェットラグ」認知率

またソーシャルジェットラグの該当者は、「日中も眠気を感じることがある」「朝に起きづらさを感じることがある」「日中に疲労感やだるさを感じることがある」など、何らかの睡眠に関する悩みや症状を自覚していることが分かった。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザー睡眠に関する悩み・症状実感

そういった症状を実感するタイミングとして、第1位は「朝、起きた瞬間」、第2位は「午後、仕事・勉強などをしているとき」という結果に。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザー睡眠に関する悩み・症状実感タイミング

■ソーシャルジェットラグによる時差ぼけ状態の予防・改善意向があるのは該当ユーザーの8割以上

ソーシャルジェットラグの該当者では、時差ぼけ状態を予防・改善したいと思っている人が87.8%いることが分かった。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザー「ソーシャルジェットラグ」該当者 時差ぼけ状態の予防・改善意向率

また、ソーシャルジェットラグ該当者の中で、夜ふかしをしてしまう誘惑として「Web動画(YouTubeやTikTokなど)をダラダラと見てしまう」「SNS(XやInstagramなど)をダラダラと見てしまう」などが挙がった。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザー夜ふかしをしてしまう誘惑

「ねむりの約束」がもたらす心的効果については、「毎日の就寝時刻を意識するようになった」「ポケモンのためにねむりの約束を守ろうと思うことがある」などの回答があった。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザー「ねむりの約束」がもたらす心的効果実感

さらに、「ねむりの約束」のために予定を切り上げて睡眠を優先したことがあると回答したユーザーは半数以上の55.5%に上り、「ねむりの約束」がユーザーの行動を変容させる要因の一つであることが示唆されている。

日本の『Pokémon Sleep』ユーザー「ねむりの約束」がもたらす心的効果実感

【調査概要】
調査①「世界7か国の睡眠ソーシャルジェットラグ調査」
調査内容:世界7か国の『Pokémon Sleep』プレイヤーデータによる睡眠に関する実態調査
調査地域:日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ
調査期間:2023年7月~2024年10月
分析対象:『Pokémon Sleep』を3カ月以上継続プレイした人、月平均計測回数が20回以上の人
分析人数:約1,700万人の中から、上記分析条件に当てはまるプレイヤーデータを各国ランダムで400サンプル抽出
<睡眠時間の定義、及び調査手法>
前提として、1サンプルにつき、1日1回の睡眠測定データのみ使用し、9:00~18:00の間での入眠データ、夜時間帯でも分割して入力されているデータ(22:00~2:00と3:00~7:00に分けて計測等)、途中覚醒での誤入力データとも考えられる睡眠時間が3時間以下のデータは集計対象から除外。

※計測した人そのものは除外とせず、該当データのみ削除。

調査②『Pokémon Sleep』ユーザーにおけるソーシャルジェットラグ調査
調査地域:日本
調査期間:2024年12月19日~2024年12月25日
分析対象者:16歳以上、『Pokémon Sleep』を3カ月以上継続プレイした人、 2024年9〜11月の月平均計測回数が20回以上の人
分析人数:回答が得られた26万人の中から上記分析条件に当てはまるユーザーをランダムで4,729人抽出
調査方法:ゲーム内に表示されたバナーからのアンケート

<参考>ポケモン『睡眠ソーシャルジェットラグ調査