パシフィックコンサルタンツは、長野県下伊那郡阿南町・天龍村にて行った、UAV(ドローン)のレベル3.5飛行(無人地帯上空での目視外自律飛行)での空撮による災害時を想定した道路の被害状況調査の実証実験に成功したことを発表した。
同実証は、国⼟交通省が実施する「⺠間提案型官⺠連携モデリング事業」の「災害対策・復旧を見据えたインフラ整備・維持管理」の分野にて採択され、マッチングが成立した長野県のニーズ「災害時のUAVによる道路緊急点検」に応えて実施。
ドローン等の新技術を活用し、データ利活用によるインフラの災害対応(災害時初動調査を含む)の迅速化および日常の維持管理の効率化を図る事業スキームの検討し、災害時の迅速な被災状況調査の実現を目指すものだという。
長野県の緊急輸送道路は、被災リスクの高い険しい地形を通る路線が多く、地上での点検やパトロールのみでは迅速な道路啓開に必要な現地情報の取得が困難となることが懸念されており、今回の実証実験は、迅速かつ安全に被害状況を把握するため、UAVを用いた上空からの点検・パトロールの実現に向けた取り組みとのことだ。
同実証実験の結果、以下の3点に成功したとしている。
①UAVのレベル3.5飛行(無人地帯上空での目視外自律飛行)による片道約10kmの飛行および動画のリアルタイム配信
②道路を撮像した動画データのAI解析による異常事象の検出
③検出した異常事象の画像データのGISを活用した情報共有システム(長野県インフラデータプラットフォーム)へのデータ出力
■実証実験概要
実施日時:2024年12月17日
飛行経路:以下の通り
使用機体:Autonomy社製国産UAV Surveyor-IN