Hondaとルネサス エレクトロニクスは、ソフトウェアデファインドビークル(SDV)用の高性能システム・オン・チップ(SoC)の開発契約を締結したと発表した。この発表は、米国ラスベガスで開催された「CES 2025 Hondaプレスカンファレンス」で行われた。
開発するSoCは業界トップクラスのAI性能2,000 TOPSおよび電力効率20 TOPS/Wを目指しており、2020年代後半に発売予定のHondaの新型EV「Honda 0シリーズ」に搭載される予定だという。
Hondaは、「Honda 0シリーズ」を通じて、一人ひとりに最適化した移動体験を提供することを目指している。同シリーズの車両アーキテクチャは、複数のECUを集約したセントラルアーキテクチャ型を採用し、AD/ADAS(先進運転支援システム)やパワートレイン制御、快適装備などを一元管理するコアECUを中心とする。このコアECUの高い処理能力と低消費電力を実現するため、開発するSoCが重要な役割を果たすとしている。
ルネサスは、車載用半導体の分野での実績を背景に、今回の開発でマルチダイチップレット技術を活用する。この技術により、SoCにAIアクセラレータを追加し、高性能かつカスタマイズ可能なシステムを実現するという。また、このSoCにはTSMCの自動車向け3nmプロセス技術が採用され、従来よりも大幅な消費電力の削減が可能になるとしている。
今回開発されるSoCは、ルネサスの「R-Car X5シリーズ」を基盤に、Honda独自のAIソフトウェアに最適化されたAIアクセラレータを組み込むことで、知能化に必要な高いAI処理性能を省電力で提供する。また、チップレット技術を活用することで、将来的な機能拡張や性能向上も可能とのことだ。