日本でTOEIC® Programを実施・運営する、国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は、インバウンドが増加する日本において、「訪日外国人観光客へのおもてなしに関する意識調査」を実施し、結果を公表した。

■7割以上がおもてなしに英語・英会話のスキルが必須と思っている。

訪日外国人観光客へのおもてなしにおいて必要だと思うことを聞いてみると、1位は「コミュニケーション力」(41.9%)、2位は「英語・英会話の取得」(40.5%)、3位は「日本文化の知識」(36.5%)という結果に。

また、73.2%が訪日外国人観光客へのおもてなしにおいて英語・英会話のスキルが必要だと思うと回答しており、多くの人がおもてなしには英語・英会話のスキルが欠かせないと思っていることがわかった。

【左】訪日外国人観光客へのおもてなしにおいて必要だと思うこと
【右】訪日外国人観光客へのおもてなしにおいて英語・英会話のスキルが必要だと思うか

■一方で約7割の日本人が英語へ苦手意識あり。

おもてなしに必要と思われている英語・英会話のスキルだが、70.2%の人が英語が苦手と感じていることが判明。

理由として最も多かったのは「英語を話す機会がなく、自信がないから」(58.5%)。続いて「英語を聞き取る自信がないから」(45.5%)、「語彙力に自信がないから」(37.5%)となり、普段から英語を用いての交流の機会が少なく、不慣れであるために不安を感じている様子が窺える。

【左】英語がどの程度得意か【右】英語を苦手と感じ理由

■約8割がインバウンドの増加を実感。2人に1人が訪日外国人観光客から声をかけられた経験があり、おもてなしをする機会が身近で増えている。

訪日外国人観光客を見かける機会について聞いてみると、77.6%がここ1~2年で訪日外国人観光客を見かける機会が増えたと回答しており、インバウンドの増加を実感している人が多いことがわかった。

また、51.3%が訪日外国人観光客から声をかけられたことがあることが明らかに。

実に2人に1人以上が声をかけられた経験があり、多くの外国人観光客が日本を訪れている今、誰しもが日常生活の中でおもてなしをする機会に遭遇する可能性がありそうだと同社は考察している。

【左】ここ1~2年で訪日外国人観光客を見かける機会が増えたと思うか
【右】訪日外国人観光客から声をかけられたことがあるか

■おもてなしシーンにおいて約7割が嬉しかった経験がある一方、約9割が英語で困った経験も。

おもてなしの機会が増えている中、訪日外国人観光客に声をかけた、もしくはかけられた際に嬉しかったことについて聞くと、65.1%が嬉しかった経験があると回答。

嬉しかった理由の中には「観光客の方が道に困ってたので、目的地まで案内をしたらとても喜ばれた」、「拙い英語でも伝わり、お礼を笑顔で言われた」、「日本語でありがとうございます、と言われた」などのエピソードがあったとのことだ。

日外国人観光客に声をかけた、もしくはかけられた際に嬉しかったことはあるか

一方で、88.5%の人が訪日外国人観光客に声をかけた、もしくはかけられた際に困った経験があることが判明。

困った理由としては、1位「伝えたい単語が出てこなかった」(47.6%)、続いて「流暢に話せなかった」(39.4%)、「聞き取れなかった」(35.8%)となり、普段英語に触れたり発信したりする機会が少ない分、いざという時に困ることもありそうだと同社は考察している。

【左】訪日外国人観光客に声をかけた、もしくはかけられた際に困った経験があるか
【右】訪日外国人観光客に声をかけた、もしくはかけられた際に困ったこと

■おもてなしにおいて不安なことは英語・英会話のスキルとコミュニケーション力。

さらに、おもてなしをする上で不安に感じていることの中で最も多かったのは「英語・英会話スキル」(55.8%)、「コミュニケーション力」(55.8%)という結果になり、英語・英会話のスキルに対して不安を感じている人が多いことがわかった。

おもてなしをする上で不安に感じていること

■約8割がおもてなしをしたいという気持ちあり。理由1位は「楽しんでもらいたいから」。

訪日外国人観光客へのおもてなしに関する意向を聞いてみると、77.6%が訪日外国人観光客をおもてなししたいと思っていることが明らかに。

その理由として最も多かったのは「楽しんでもらいたいから」(47.6%)、2位は「日本の魅力を感じてもらいたいから」(45.5%)、3位は「日本文化を理解してもらいたいから」(36.0%)となっており、訪日外国人観光客を思いやり気遣う、おもてなし精神が感じられる結果となっている。

【左】訪日外国人観光客へのおもてなしに関する意向
【右】訪日外国人観光客をおもてなししたいと思っている理由

また、56.3%が困っている訪日外国人観光客へ声をかけたいと回答。そのうち、訪日外国人観光客へ自ら声をかけるか迷ったことがある人は65.2%という結果となり、声をかけたいというおもてなしの気持ちがあっても、迷うこともある様子が窺えた。

【左】困っている訪日外国人観光客へ声をかけたいか
【右】訪日外国人観光客へ自ら声をかけるか迷ったことがあるか

声をかけるか迷った理由としては、「質問に対して答えられるかわからないから」(46.2%)、「何を聞かれるかわからないから」(45.7%)、「英語・英会話に自信がないから」(40.2%)となり、困りごとに対して自分が答えられるかどうか、不安に思っている人が多いことがわかった。

声をかけるか迷った理由

<参考>
国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)『訪日外国人観光客へのおもてなしに関する意識調査