リクルートは、女性の転職について、転職支援サービス『リクルートエージェント』のデータと実際の転職事例から動向をまとめ、結果を公表した。

同調査では、出産・育児等を理由に一度仕事を辞めた正社員で、専業主婦として家事・育児に取り組んできた人やパートや契約・派遣社員で就業していた人が正社員に転職する兆しをまとめたとのことだ。

リクルート

■女性の転職は増加。正社員以外の雇用形態から正社員への転職も増加傾向。賃金も上昇傾向

「リクルートエージェント」における女性の転職者数は、2023年度は2013年度の5.09倍に伸長。全体の転職者数推移と比較しても伸び率は高く、10年で女性の転職が加速していると言える結果に。

また、契約社員や派遣社員から正社員へ転職している女性は約6倍になっており、内部登用による正社員転換だけではなく、転職で雇用形態を変えている様子がうかがえたとしている。

制度が整ってきたこともあり、出産後に離職せずに働き続ける女性は着実に増え、M字カーブ(女性の労働力率が20代後半~30代前半で下降する傾向)は解消されつつあると言われている。

しかし現在では労働力率は改善しても、正規雇用比率が20代後半をピークに下降しているL字カーブの課題があると言われており、正社員へ転職する女性が増えている点は、L字カーブの解消の兆しとも言える可能性があるとのことだ。

また、2023年度には女性転職者の41.3%が転職時に賃金が1割以上増加。外部労働市場に出た場合、賃金が上がる傾向があり、近年その割合は右肩上がりになっている。

人手不足を背景とした採用ニーズの高まりに加え、これまで培ってきた経験やスキルが外部労働市場で適正に評価されて、賃金アップを実現できるケースが増えている結果となった。

<参考>
リクルート『女性の転職について