中部電力ミライズは、9月1日の「防災の日」に向けて、全国47都道府県の男女1000名を対象に「防災に関する調査」を実施し、結果を公表した。

1.防災への意識が高まっている人多数

日本は、地震、台風、大雨、津波、火山噴火など、気候や地形によって災害が発生しやすい土地。先日は南海トラフ地震臨時情報として注意が呼びかけられたほか、台風7号の接近などもあり、より災害を身近に感じた人も少なくはないと思われる。

アンケート回答者自身の防災への意識が以前と比べて高まっているかを質問した結果、約6割の人の意識は高まっていると回答。

さらに、住んでいる自治体の防災における意識・取り組みに関する質問では、半数以上が高まっていると回答し、回答者自身の意識と近しい結果となった。

【左】【右】

意識が「低くなっている」と回答した人はわずかで、災害に対する何かしらの備えが必要であると考える人が多いことがわかる。

■エリア別防災意識ランキング、1位「中部」2位「九州・沖縄」。能登半島地震、南海トラフ、水害の多さが影響か

北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄の8地域で比較すると、最も意識が高まっていたのは、中部地方となった。

中部地方は比較的水害が多いこと、年始の能登半島地震、加えて、静岡県、愛知県、三重県などはこれから起こる可能性の高いとされる南海トラフ地震で甚大な被害が出ると言われており、中部地方に住む人の意識の高まりと関係していると同社は考察。

2位の「九州・沖縄」も地震に加え、台風などの被害を受けやすい傾向にあり、3位の東北もまた震災の影響を受けていると言えるとしている。

エリア別防災意識ランキング

また、8地域の過去3年間における震度4以上の地震発生数が最も多かったのは、能登半島を含む「中部(90回)」、続いて「東北(37回)」、「九州・沖縄(30回)」、「関東(26回)」。

同社は、防災意識の高まりは、地震の発生頻度とかなり密接な関係があることが予想できるとしている。

2.防災意識は高まっているものの、保存食・飲料水を「十分に備えている」人は5%未満。備えていない理由は「保管場所がない」などのほか、知識不足という回答も

保存食・飲料水の備えについて聞くと、「全く備えていない(15.2%)」「ほとんど備えていない(24.1%)」人は合わせて4割ほどとなった。

前述の調査で防災への意識が高まっている一方で、保存食・飲料水を「十分に備えている」は4.5%と、自信を持って言える人は意外にもわずか5%未満という結果に。

また、保存食・飲料水を備えていない人を対象に、その理由について尋ねたところ、もっとも多かったのは「保管場所がない」といった物理的な理由が29.7%となっている。

「何を備えればいいのかわからない」23.6%と、保存食に対する知識不足によって備えていない人のほかに、使用するのかわからないのに購入して賞味期限がきれてしまうのが「もったいない」と回答した人も19.6%で一定数いることがわかった。

【左】保存食・飲料水の準備【右】保存食・飲料水を備えていない理由

■防災用の保存食といえば?「保存食=乾パン」というイメージが根強い結果に。おいしそうな保存食ランキングは「レトルト食品」や「カップ麺・乾麺」が上位に。

防災用として思い浮かぶ保存食を聞くと、「乾パン」が31.3%で1位、2位以下はアウトドアや日常でも食べる機会が多い「カップ麺・乾麺」17.4%、「レトルト食品」12.4%という結果に。

また、おいしそうだと思う防災用保存食について聞いたところ、1位は、カレー、スープ、おかゆ等の「レトルト食品」で25.3%となった。

次いで2位「カップ麺・乾麺」21.7%、3位「缶詰」7.6%と続く。

【左】防災用として思い浮かぶ保存食【右】おいしそうだと思う防災用保存食

3.ローリングストック、意味まで知る人は4人に1人程度!半数以上は「まったく知らない」ローリングストックを知る人の約8割は、食料を備蓄!

保存食の賞味期限が近づいたものから消費して、消費した分を補充することで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つ方法のことを「ローリングストック」と言う。

「ローリングストック」について、知っているかを回答してもらったところ、「まったく知らない」が54.5%と全体の半数以上。「言葉・意味ともに知っている」は27.3%では3割程度となっている。

また、意味まで知っている人と知らない人について、保存食・飲料水の備蓄状況を比べたところ、ローリングストックを知っている人の方が、圧倒的に保存食・飲料水を備えているということが判明。

【左】「ローリングストック」の認知度
【右】ローリングストックの認知度と保存食・飲料水の備蓄状況

同社は、保存食も日々の食卓で消費すれば無駄を減らすことができるとし、現代に合った備蓄方法を知ることで、防災意識の向上と共に、保存食を備えることへのハードルを下げることができるかもしれないと考察している。

<参考>
中部電力ミライズ『防災に関する調査