Amazonは、ラストワンマイル配送とドライバーの働き方に関わる施策の拡大に、2024年は従来の投資額に追加して、さらに250億円以上を投資することを第10回Amazon Academyで発表した。

Amazonはこれまで毎年、物流・配送ネットワークに数千億円を投資してきたが、2024年も同額の投資に加え、さらに250億円を追加で投資するという。

Amazon、ラストワンマイル配送とドライバー支援に250億円の追加投資を発表

現在、日本国内には25以上のフルフィルメントセンターと50以上のデリバリーステーションがあり、数千のAmazon Hubデリバリーパートナーや数万のAmazon Flexドライバーが活動。また、Amazon Keyの導入マンションは1万棟以上、Amazonロッカーは4,000台以上、Amazon自宅外受け取りスポットは40,000カ所以上に達しているとのことだ。

デリバリーサービスパートナープログラムを通じて、50社以上の中小規模事業者が迅速かつ安全に商品を届けており、今回発表した追加投資により、インフラの拡大、再配達の削減、ドライバーの働き方向上を目指すとしている。

2024年の投資は、次の4つの重点分野に対して実施するという。

■配送ネットワークの拡大

Amazonは、日本での配送ネットワークを拡大し、デリバリーステーションを通じて迅速かつ信頼性のある配送を提供している。
デリバリーステーションは、フルフィルメントセンターから集約した商品をユーザーの玄関先まで届ける拠点である。2023年には11拠点を新設し、現在日本全国に50以上の拠点がある。
このネットワークにより、700万点以上の商品を47都道府県に翌日配送し、置き配の拡大で利便性を向上させ、再配達を削減している。また、デリバリーステーションでは、多様な職種で働く機会を提供している。

■ドライバーのウェルビーイング向上と安全対策

Amazonは、配送パートナーと地域社会の安全を最優先としている。今後も、安全な配送のためにテクノロジーやプログラムに投資を続ける。交通量の多い都市部での配送や商品の扱い方についての安全トレーニングを実施し、安全専門家を招いて知識を提供。
Amazon Flexの配送パートナーには滑りにくいスニーカーや夜間作業用のヘッドランプを提供しているほか、無料ドリンククーポンも提供。DSPドライバーにも同様の支援を行い、暑さ対策として1週間に最大6本の飲料を提供している。

■再配達の削減

Amazonは、2020年に日本で業界初の「置き配指定サービス」を開始。受け取りの手間を減らし、再配達を減少させることでドライバーの負荷を軽減している。現在、置き配の利用率は80%以上に達しており、全国に設置された4,000台以上のAmazonロッカーが貢献している。また、Amazonロッカーとカウンターを合わせた「Amazon自宅外受け取り」は40,000カ所以上に上る。
Amazon Keyは、ドライバーが配送アプリを使ってマンションのオートロックを解除し、商品を届けるプログラムで、再配達削減に役立っている。現在、20都道府県の1万棟以上のマンションで利用されており、今後も拡大を続ける予定である。

■配送プログラムの拡大

新たなデリバリーステーションの開設により、Amazonはラストワンマイル配送プログラムを強化。Amazon Flexは2019年に日本で開始され、個人事業主が自由なスケジュールで配達業務を行うプログラム。報酬は配達ブロックに応じて支払われる。
2023年に開始したAmazon Hubデリバリーは、地域の中小企業や店舗が隙間時間に配達し、副収入を得るプログラムである。既に32都道府県の1,000店舗以上が参加しており、自転車や徒歩で配達を行っている。Amazonは柔軟な働き方を提供し、多くの人々の参加を歓迎している。

また、Amazonは物流・配送オペレーションの知見を活かし、デリバリーサービスパートナーの成長を支援。中小規模の事業者には、Amazonの経験、最先端技術、安全な配送、事業成功のためのサービスや知識を提供してきた。

2024年には、物流経験がない方でもラストワンマイル配送を理解し、起業できるよう支援する新プログラムを開始するとしている。