長尾商会、ぷらっとホーム、NTTアグリテクノロジーは、高知県IoPクラウド(※1)と連携し、化学農薬に代わる防除技術である紫外線発光光源(※2)を活用したデータ駆動型病虫害防除技術の確立に向けた実証実験を2023年12月より開始したと発表した。
同実証実験では、高知県立幡多農業高校のトマト圃場をフィールドとして、紫外線発光光源と高知IoPクラウドで収集する環境データを組み合わせ、最適な照射制御を行うことで、電力コスト削減と防除効率向上を目指すとのことだ。
NTTアグリテクノロジーは、従来の化学農薬に代わる物理的な防除技術として紫外線発光光源を用いた病虫害防除に取り組んできたが、毎日一定条件で照射する従来の方法では、電力コスト増加という課題があるという。
そこで、高知県の「データ連携基盤活用実証事業委託業務(一般型)」公募型プロポーザルに応募し、採択を受け、3社共同でデータ駆動型病虫害防除技術の実証実験を開始。
同取り組みを通じ、紫外線発光光源による防除技術を通じた農業振興につなげ、高知IoPクラウドの更なる県内への普及拡大、全国の自治体の参考となるようなプロジェクトへの昇華を目指すという。
2024年2月7日には地元関係者向けに発表会を開催し、防除効果に関する結果など実証の経過を報告。また、2月13日には高知県立幡多農業高校で生徒向け説明会を開催し、実証結果を地域や業界へ展開していく予定だとしている。
■実証概要
実施期間:
2023年12月5日~2024年3月8日(予定)
実証フィールド:
高知県立幡多農業高校 トマト圃場
実施内容:
・高知IoPクラウドと連携し、圃場環境データ(温湿度、捕虫シート画像など)を収集・分析
・データに基づき、圃場の状況に応じた紫外線発光光源の照射制御を実施
・病虫害専門家の協力により、最適な照射制御システムを構築
※1 IoTで接続した農業ハウス内の機器のデータや農産物個々の出荷データ等を、リアルタイムで一元的に集約するクラウド型のデータベースシステム。
※2 病虫害防除効果があると想定される、紫外線を照射する光源デバイス。