楽天インサイトは、「ファッションに関する調査」をインターネットで実施し、2019年3月15日にその結果を発表した。

今回の調査は、2019年1月28日と1月29日の2日間、楽天インサイトに登録しているモニター(約220万人)の中から、全国の20代から60代の男女1,000人を対象に行ったもの。

通常のアンケート調査に加え、「イノベーター理論」に基づいた楽天インサイトが提供する総合調査ソリューション「イノベーターマーケティング™」を用い、対象者を情報感度の高さ別に5つの層に分類することで、実際の消費行動に基づいた分析を行った。

調査で重要な役割を果たした「イノベーター理論」とは、生活者を新しい商品や情報に対する感度別に「イノベーター」、「アーリーアダプター」、「アーリーマジョリティ」、「レイトマジョリティ」、「ラガード」の5つの層に分類した理論。

1回あたりの平均購入予算は男性のほうが高い

はじめに、自分でファッションアイテムを購入する人に1回あたりの平均購入予算を聞いたところ、全体の平均購入予算はトップスが4,437円、ボトムスは6,148円、インナーは2,677円、アウターは14,887円、靴は10,332円だった。性年代別にみると20代、30代、40代の男性は、いずれのアイテムにおいても、同年代の女性よりも平均購入予算が高いという結果となった。

イノベーター層では、多くのアイテムにおいて(トップス:6,824円、ボトムス:8,138円、インナー:6,360円、靴:15,392円)全体の平均予算を上回り、特にインナーは全体の2倍以上、靴は全体の約1.5倍の金額だった。

次に自分でファッションアイテムを購入する人に購入場所を聞いたところ、いずれのアイテムにおいても全体では「ショッピングモール」(トップス:49.0%、ボトムス:48.7%、インナー:51.3%、靴:46.3%)と回答した人がもっとも多く、次いで「インターネット通販サイト」(トップス:36.0%、ボトムス:29.5%、インナー:28.8%、靴:27.9%)となった。

また、ファッションの参考にしている情報源を聞いたところ、全体では「参考にしているものはない」(42.7%)と回答した人がもっとも多かった。参考にしている情報源がある人では、「インターネットサイト」(26.4%)と回答した人がもっとも多く、次いで「日本の雑誌」(26.0%)、「身近な人」(17.7%)となった。

性年代別でみると、女性20代、女性30代が最も参考にしているのは「SNS(Instagram)」(女性20代:61.8%、女性30代:38.0%)で、同項目は男性20代で約2割(17.3%)、男性30代になると1割未満(9.5%)と、同世代でも男女の差が顕著にあらわれた。

イノベーター層では、「インターネットサイト」(42.3%)がトップで、次いで「SNS(Instagram)」(36.5%)が続き、その他の参考にしている情報源においても他の層に比べて全般的にポイントが高く、幅広い情報源を参考にしていることがわかった。

オシャレでいてほしいと思う相手は「パートナー」

そして、オシャレでいてほしいと思う相手を聞いたところ、全体では「パートナー(配偶者・恋人など)」(63.1%)と回答した人がもっとも多く、次いで「子ども」(51.9%)、「両親(義理含む)」(40.4%)となった。

特に「パートナー」と回答した人を性年代別にみると、女性20代が85.5%と最もっとも高く、次いで女性40代(71.7%)、女性30代(70.6%)、男性30代(70.5%)が続き、いずれも7割を超える結果となった。

イノベーター層とアーリーアダプター層ではともに、いずれの相手に対してもオシャレでいてほしいと回答した人が多く、特に「パートナー(配偶者・恋人など)」に対してオシャレでいてほしいと回答した人は約8割(それぞれ78.8%、84.6%)という高い結果になった。

ファッションアイテムを選ぶ際、誰からの印象をもっとも重視するかを聞いたところ、全体では、「他人からの印象はあまり気にしない」(48.9%)と回答した人がもっとも多く、次いで「パートナー(配偶者・恋人など)」(27.2%)が続いた。「パートナー(配偶者・恋人など)」からの印象を意識していると回答した層を性年代別にみると、最も意識しているのは女性20代(46.1%)で、次いで男性50代(37.4%)が続いた。

イノベーター層では、「他人からの印象はあまり気にしない」(9.6%)と回答した人が著しく少なかった。

着なくなった服をどうするか聞いたところ、全体では「捨てる」(65.3%)と回答した人がもっとも多く、次いで「取っておく」(32.1%)、「リサイクルショップ・古着屋に売る」(19.7%)と続いた。

イノベーター層では、「フリーマーケット/オークション(インターネットサイト/アプリ)で売る」(28.8%)、「中古通販サイトに売る(買取してもらう)」(15.4%)、「フリーマーケット(対面型)で売る」(19.2%)が全体に比べて10ポイント以上高く、アーリーアダプター層では「リサイクルショップ・古着屋に売る」(29.1%)、「誰かに譲る、あげる」(26.9%)、「フリーマーケット/オークション(インターネットサイト/アプリ)で売る」(22.3%)が全体に比べて5ポイント以上高い結果となった。

同社では、情報に対する感度が高い人ほど、着なくなった服を売ったり譲ったりする方法も利用している傾向がみられたとしている。

最後に定額でファッションアイテムをレンタル、購入ができるサービスであるファッションサブスクリプションサービスの利用経験を聞いたところ、全体では「知らない/聞いたことがない」(46.4%)と回答した人が最も多く、半数近くが知らないという結果だった。

「現在利用している」(2.9%)、「現在は利用していないが過去に利用したことがある」(2.4%)を合わせた利用経験者は5.3%だった。

一方、イノベーター層では利用経験者の合計は32.7%だったことから、ファッションアイテムに関する新しいサービスの利用も、他の層に比べて積極的に行っていることがうかがえたとしている。

<参照元>
楽天インサイト:「『ファッションアイテムは「ショッピングモール」「インターネット通販」が主な購入場所に ファッション情報は女性20代の6割以上が「SNS(Instagram)」から』ファッションに関する調査」