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エン・ジャパンは、人事向け情報サイト「人事のミカタ」を利用している、従業員数299名以下の企業の人事担当者を対象に「2023年の冬季賞与」についてアンケート調査を実施し、その結果を公表した。
■2023年冬季賞与「支給予定」企業は82%。3割の企業が、支給額を「増額予定」と回答。
2023年、冬季賞与を支給予定か聞いたところ、82%の企業が「支給予定」と回答し、昨年から変化は見られなかった。
2023年冬季賞与を支給予定の企業に、昨年の冬季賞与と比較して支給額に変動はあるか聞いたところ、31%の企業が「増額予定」と回答。
新型コロナウイルスが流行した2020年以降、前年と比較し「増額予定」と回答している企業が毎年増加し、2023年は過去5年の中で最も多い結果に。
増額予定の企業にその理由を聞いたところ、トップ3は「社員の意欲向上」、「業績が好調」、「物価上昇への対応」だった。
一方で、減額予定の企業の理由は「業績不振」が71%で最多に。
■4割の企業が「景気の上昇や回復を感じない」と回答
次に、昨年と比較して景気の上昇や回復を実感できているか聞くと、40%の企業が「感じない」と回答した。
それぞれの理由は以下の通り。
●「非常に感じている」「どちらかというと感じている」と回答した企業
・今年は、コロナ自粛に対するリベンジ消費の面が強かったように感じる。(流通・小売関連/1~9名)
・増員や新規の案件が増えてきて、採用の需要が高まってきたため。(IT・情報処理・インターネット関連/10~29名)
・取引先の業績が回復傾向にあり、それに比例して自社の業績も向上している。(メーカー/100~299名)
●「どちらかというと感じていない」「まったく感じていない」と回答した企業
・半導体不況の影響をダイレクトに受けている。(製造業/50~99名)
・燃料費が高騰しており、その影響を大きく受けている。(運送・物流/100~299名)
・昨年はコロナ禍で資材高騰の影響があり売上等も同様に上がっていたが、今期になって以前の価格に戻りつつあるため、昨年より景気観は厳しい状況となっている。(商社/100~299名)
■賞与支給に関する悩み上位は「評価・賞与の査定基準」「支給額による社員モチベーションへの影響」。
社員への賞与支給に関する悩みや課題を聞いたところ、上位は「社員への評価・賞与の査定基準への悩み」、「賞与の支給額による社員モチベーションへの影響」という結果に。
具体的な理由は以下の通り。
●「社員への評価、賞与の査定基準への悩み」と回答した企業
・被考課者が納得する考課結果となっておらず、無難な中心化傾向になって評価のメリハリが無いように感じる。(IT・情報処理・インターネット関連/50~99名)
●「賞与の支給額による社員モチベーションへの影響」と回答した企業
社員は、もらえる金額によるモチベーションの影響は当然あると思うので、そこの部分を業績と照らしてどうするかが悩みどころ。(不動産・建設関連/100~299名)
●「業績不振など、原資確保の悩み」と回答した企業
物価上昇に対して会社業績が追いついていかず原資の確保ができない。(メーカー/100~299名)
●「考課者(上司)による査定フィードバックへの悩み」と回答した企業
考課者の主観を完全に排除することは難しく、いかに客観的に考課してもらうかが難しい。(製造業/100~299名)
●「賞与の算定式の悩み」と回答した企業
当社のグローバル化に伴い、賞与に関するルールもグローバル化が進行中。海外業績を日本の社員の賞与にも影響させることへの理解を得ることに苦労している。(メーカー/100~299名)
●「賞与の支給有無による社員モチベーションへの影響」と回答した企業
定期賞与の支払い規定を設けておらず、既存社員はもとより採用にも影響があるのではないかと感じている。(人材サービス/10~29名)
【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:『人事のミカタ』を利用する従業員数299名以下の企業
有効回答数:364社
調査期間:2023年11月15日~12月6日
<参考>エン・ジャパン『中小企業360社に聞いた「冬季賞与」実態調査2023』