2019年3月15日、NTTデータは、三井不動産の協力のもと、デジタルデバイスやAI技術を活用して消費者に商品を提案・訴求・販売するデジタルストアの実証実験を23019年3月8日より開始したことを発表した。

本実証実験では、三井ショッピングパークららぽーと海老名の一角に、販売員が常駐せずにインタラクティブサイネージで接客を行うデジタルストアを設営し、サイネージ前に取り付けたカメラから、AIが消費者の性別および年齢層を推定し、その相手に応じた商品提案を行い、その提案が消費者の購買行動に変化もたらすのかを検証するという。

また、2019年3月20日より、AIによってオペレーターの動きと連動させたアバターを介し、遠隔地から販売員が店舗への呼び込みや店舗内の消費者に対して接客を行うといった、アパレル商品に対する遠隔接客の有用性についても検証するとのことだ。

実験の検証内容

  1. 顔認識AIを使ったレコメンド効果の検証
  2. デジタルデバイス(インタラクティブサイネージとデジタルカメラ)とAI技術を活用し、販売員が不在の店舗においても消費者に商品を提案・訴求・販売ができるかを検証。

  3. アバターによる遠隔接客の検証
  4. アバターを介して販売員が遠隔地から店舗への呼び込みや店舗内の消費者に対して接客を行い、対話を通じた商品説明に対応できる仕組みを提供。またAIによってオペレーターの顔の動きや仕種を認識し、アバターと自然な動きで連動させる。

    遠隔からの声かけでも購入の後押しとなるかを検証するとともに、アバター遠隔接客を活用した店舗運用課題を確認。

  5. ECサイトへの誘導におけるユーザーエクスペリエンスの検証
  6. デジタルサイネージ上の各商品ページにQRコードを掲載することで、スマートフォンを通じて消費者をECサイトに誘導し、商品の購入につなげる。これにより、リアル店舗にあるQRコードからのECサイトへの誘導が決済手段として有効か、購入が完了するかを検証。

  7. 来場フロアの行動導線、および商品接触・サイネージ接触数の分析
  8. 来店した消費者の行動導線を可視化し、来場、商品接触、サイネージ接触、アバター対話接触、デジタルコンテンツ接触の度合を可視化し、店舗・販売員の販売活動におけるデジタル化への改善要因を分析する。

同社は、今後実証実験を通じて、店舗・販売員の販売活動におけるデジタル化の効果を確認し、今後2019年度下半期中の実用化及び店舗デジタル化市場でのシェア拡大を目指すとしている。

img:NTT DATA