ディップは、自社で運営する総合求人情報サイト「はたらこねっと」において、アンケート調査「はたらこねっとユーザーアンケート 有給休暇の取得について」を実施、2019年3月7日にその結果を発表した。

それによると、労働基準法改正について賛成派は多いものの、その内容については未だに低認知であることがわかった。

労働基準法改正は61%が「賛成」

労働基準法の改正で「年次有給休暇の時季指定義務」が2019年4月よりスタートする。

この改正では年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年5日は使用者が時季を指定して取得させることが全ての勤務先に義務付けられるようになる。

そこで同社は、有給休暇に関する労働基準法の改正の認知と、改正法に対する賛否、また有給休暇に関してどのような制度・運用方法を求めるかなどを「はたらこねっと」ユーザー210人を対象にアンケート調査を実施した。

まず、勤務先が有給休暇を取得しやすい風土かどうか尋ねたところ、「取得しやすい」27%、「どちらかといえば取得しやすい」35、%あわせて62%が“取得しやすい”と回答した。

一方で“取得しにくい”と答えた38%の理由として、「勤務先の人手不足で休めない」21%が最多となり、次いで「上司・同僚が取得していないため」12%、「有給休暇取得をよく思わない風土がある」9%と続く結果となった。

続いて、労働基準法改正の賛否を尋ねたところ、「賛成」「どちらかといえば賛成」合わせて61%と、半数を超える結果となった。

賛成した理由として、「勤務先に取得させる意識づけができる」37%が最多となり、次いで「年5日は確実に取得できるようになる」33%、「取得することが良いことという風土が作れる」26%と続き、勤務先での“有給休暇が取りやすくなる環境”への変化を期待した理由が上位に挙がった。

一方、反対した理由として、「いざという時のために残しておきたい」36%が最多となり、次いで「上司が取得したい時季を尊重してくれるか不明」28%と、有給休暇取得の自由度への不安が上位に挙ったという。

未だに低い労働基準法改正の内容理解度

また、有給休暇取得に関してどのような制度や運用方法を求めているか尋ねたところ、「取得できなかった有給休暇の買い取り」31%が最多となり、次いで「半日休や時間給制度を設ける」17%と、制度に関する改善意見が上位に挙がったという。

その他、ユーザーコメントからは「雇用を増やして、有給休暇消化を義務化」など、勤務先の人事体制や環境づくりに関する意見も多くあった。

そして、「有給休暇に関する労働基準法改正」を理解しているかどうか尋ねたところ、「聞いたことがある」45%と、全体の半数以上が「聞いたことがなかった」55%という結果となった。

また、聞いたことがあっても内容を理解している人は14%と、改定が1カ月後に迫る中、未だ低認知であることがわかったという。

<参照元>
有給休暇の取得について|みんなの声レポート
DIP Corporation