検索エンジン「Indeed(インディード)」の日本法人Indeed Japan(以下、Indeed)は、2022年10月の「産後パパ育休(出生時育児休業)」の創設から1年を前に、「男性育休」に言及する求人動向の調査を行い、結果を公表した。

1.「男性育休」に言及する求人の動向:「男性育休」の言及割合が2021年6月から2.4倍に増加。

Indeed上に掲載された求人のうち、「育休」に言及する求人割合は、「改正育児・介護休業法」が可決・成立した2021年6月の4.62%と比較して、2023年7月は25.06%と5.4倍に増加。2021年6月の「改正育児・介護休業法」の成立以降、段階的な施行に伴い、求人において「男性育休」に言及する採用企業が増加傾向となった。

●2021年6月の0.17%と比較すると、2023年7月は0.40%と2.4倍の増加に。

●2022年6月の0.19%から急激に増加し、「産後パパ育休」が創設された2022年10月の0.35%を経て、2022年12月にピークとなった。その後減少が見られたが、男性育休の公表義務化の2023年4月を境に直近では再び増加傾向となっている。

●育児休業等の取得状況公表義務化が開始した2023年4月の0.32%と比較して、2023年7月は0.40%と3か月間で1.2倍に増加した。

「育休」「男性育休」に言及する求人の動向

2.雇用形態別の「男性育休」に言及する求人動向:正社員は改正法成立の2021年6月から2.3倍に。

2023年4月以降、正社員以外の育児休業取得要件が緩和され、正社員と同様の育休取得条件となった。しかし雇用形態別に見ると、正社員と正社員以外それぞれの求人全体に占める「男性育休」に言及する求人割合は、2023年7月は正社員では0.69%、正社員以外では0.16%となり、正社員以外の求人では言及割合が低い状況となっている。

●「男性育休」に言及している正社員の求人割合は、2021年6月(0.30%)と比較すると、2023年7月(0.69%)は2.3倍に増加。2022年10月の「産後パパ育休」創設を前に2022年6月(0.34%)から急激に増加し、2022年12月にピーク(0.85%)となっている。その後減少したものの、男性育休の公表義務化の2023年4月を境に直近では再び増加傾向に。

●「男性育休」に言及している正社員以外の求人割合は、2021年6月(0.15%)から減少しその後横ばいだったが、2022年10月(0.10%)から徐々に増加し、2023年2月(0.19%)にピークとなった。2022年10月(0.10%)と比較し、2023年7月(0.16%)は1.7倍の増加に。

●法改正により、特に正社員において「男性育休」の取得促進の動きが広がり、求人内で言及する割合も増加していることがうかがえる。

正社員以外の求人における「男性育休」の言及割合はまだ小さく、ここ数年間の推移で見ると増加率も大きくはないものの、2022年10月以降は正社員以外の求人においても「男性育休」の言及が少しずつ見られるとのことだ。

3職種別の「男性育休」に言及する求人動向:「介護」「ドライバー」など人手不足感の強い職種で割合が多い。

●Indeedで定めている職種カテゴリごとに、「男性育休」に言及した求人割合を確認、比較したところ、2023年7月時点では「介護」が最も多く1.41%、次いで「ドライバー」1.15%、「看護」1.11%となった。

●人手不足感の強い介護・看護職、ドライバー職の採用において、「男性育休」の取得しやすさを求人でも訴求することで、採用企業が求職者にワークライフバランスをとりやすい職場環境をアピールするなど、求人の魅力づけをしていると同社は考察している。

●「男性育休」に言及する求人割合が多い上位の職種を見てみると、介護や看護など女性が多い職種においても言及が多く、特に男性が多い職種のみであるという傾向はないことがわかる。

●2023年7月に「男性育休」に言及する求人割合が多い上位10職種の中で、「改正育児・介護休業法」が成立した2021年6月時点で「男性育休」に言及する割合が比較的多かったのは「経営」(0.86%)、「介護」(0.30%)、「コンサルティング」(0.24%)となった。

職種カテゴリ別の「男性育休」に言及する求人動向

【調査概要】
調査主体:Indeed Japan
調査対象期間:2019年7月〜2023年7月
調査方法:
対象期間において、日本のIndeed上に掲載されている求人における「育休」または「男性育休」について言及する求人割合を算出。(3か月移動平均)

<参考>
Indeed Japan『「男性育休」に言及する求人動向の調査