エイチ・アイ・エス(以下、HIS)は、2023年1月1日から12月31日の予約状況から、「韓国」の旅行動向についてまとめ、結果を公表した。
今年はソウル、プサンなどの韓国都市への予約が多く、6月出発以降、韓国全体の売上高はコロナ禍前の2019年水準となるなど、早期の回復を見せているという。背景には、K-POPや美容、ドラマ・映画などの「韓流」トレンドや、短期間で渡航ができること、地方都市空港を含めた就航便の増加などが考えられるとのことだ。
HISにおける韓国旅行の予約動向について、主要都市「ソウル」「プサン」「チェジュ」について調査した結果、以下のような傾向が明らかになった。
サマリー
1. ソウルは女性からのご予約が約8割と群を抜く。ソーシャルネイティブであるZ世代から高い支持。
2. プサン、チェジュはクルーズ船の寄港地でもあることからカップル・夫婦での利用も多い。
<旅行者の属性>
目的地ごとに属性は大きく異なり、ソウルは半数(50.1%)が女性同士の旅行という結果に。友人同士など年齢の近い形態だけでなく、母娘の形態も多く、背景には近年の親子の距離感が近くなっていること、特に母娘においては共通の趣味や一緒に推し活を楽しんでいることが推察されるとのことだ。
チェジュは韓国屈指の南の島であり、リゾート地として子ども連れの家族でゆったり楽しむ人が多いという。プサン、チェジュは共にクルーズ船の寄港地でもあるため、カップル・夫婦も多いという結果となった。
男女比でみると、女性が約8割(79.4%)を占めるソウルに対して、プサンは約7割(66.0%)、チェジュは約6割(57.4%)となった。
<旅行者の年齢分布>
ソウルは20代が36.5%と圧倒的で、20代以下でみると約半数(48.3%)を占めており、ソーシャルネイティブであるZ世代から高い支持を得ていることが分かった。チェジュは60代以上が34.9%と高いシェアが見られた。
コロナ禍前の2019年と比較すると、チェジュに関しては20代の割合が大きく変化しており、今年に関して言えば20代はソウル、プサンを選ぶ傾向が高く見られた。
<商品分類>
ソウル、プサンは航空券(手配旅行)とパッケージツアー(企画旅行)が約半数ずつとなっており、時間や日程などが自由に設定できる手配旅行の需要が高くなっているという。リピーターも多く旅慣れた人が多いことも理由だとしている。
対してチェジュは圧倒的にパッケージツアーでの需要が高くなっており、同じ韓国ではあるものの、方面により使い分けがされていることが明らかとなった。
【調査方法】
調査対象:HISにて2023年1月~12月に出発するソウル、プサン、チェジュを目的地とした旅行の予約者
調査日: 2023年8月8日
<参考>
HIS『「韓国」旅行予約動向』