電通デジタルは2018年12月にスマートスピーカーの日本における利用実態についてインターネット調査を実施、2019年2月18日にその結果を発表した。

近年、対話型の音声操作に対応したAI音声アシスタントを利用したスピーカーであるスマートスピーカーの販売市場は世界規模に拡大し、スマートスピーカー対応の音声アプリケーションも数多く開発・提供されている。

本調査は、そのような背景のもと、音声サービス領域における企業のビジネス展開にヒントを得ることを目的に、全国の満15~69歳の男女個人10,000人を対象に、スマートスピーカーの日本における普及・利用動向、生活者のニーズ・利用実態の調査を実施したものとなる。

所有率は5.9%で普及はいまだ限定的

まず、スマートスピーカーの認知度を調べたところ、76.1%の人がスマートスピーカーという名前を聞いたことがある一方で、内容や特徴まで理解している割合は18.1%に留まるという結果となった。

現時点の所有率は5.9%と、普及がいまだ限定的である状況がうかがえるとしている。

また、所有者の約4割が、「音楽スピーカーの代わりになる」ことを購入理由として挙げている。実際に、74.5%と7割以上の所有者が音楽聴取のためにスマートスピーカーを利用しており、利用している機能が一部の機能に集中している傾向が見られるという。

所有者の多くがスマートスピーカーによる生活の変化として、「音楽をよく聴くようになった」と回答している。

多くの所有者が事前の期待も大きく購入後もおおむね満足

次に、購入前に期待を持っていたにもかかわらず、「幻滅」してしまった層は12.4%と限定的で、多くの所有者が事前の期待も大きく、購入後もおおむね満足している結果となっているという。

また、企業が提供するAlexaスキル、Google アシスタント対応アクションなどの開発環境を利用して、スマートスピーカーの開発元以外の企業から提供されるアプリケーションである3rd Partyアプリの利用者は、一部を除きまだ多くはないが、利用している場合はエンゲージメント形成に役立っていることがうかがえるとしている。

現時点で所有していない理由は、一般的に言われる「発声の恥ずかしさ」「音声認識精度」などよりも、「利用したいことがない」「どんなことができるのかよく分からない」などがあり、電通デジタルでは音楽以外のさらなる機能の拡張や、3rd Partyアプリケーションの拡大が普及のカギとなると分析している。

なお、今後に期待する機能としては、「気分や感情を読み取ったサービスの提供」「暮らしのサポート」などが支持されており、かつ所有者の1割以上で有料での利用意向も見られる結果となったとしている。

<参照元>
電通デジタル:「国内のスマートスピーカー普及率は約6%、
提供機能・サービスの拡大が市場成長のカギ」

img:電通デジタル