Adobeは、4月20日に「デジタルエコノミー/ジェネレーティブAIが消費者と企業に与える影響」と題した調査結果を発表した。調査はアメリカ・イギリス・デンマーク・オランダ・スウェーデン・ドイツ・フランス・オーストラリア・ニュージーランド・日本・インド・シンガポール・タイ・マレーシアの14ヶ国、消費者1万3,000人と顧客体験(CX)、マーケティングの専門家4,250人を対象に行われた。

調査では生成(ジェネレーティブ)AIについても触れられている。生成AIの印象の日米比較では、日本の消費者の76%が 「ジェネレーティブAIは顧客体験を改善する」と回答しているのに対し、米国の消費者は67%となった。

また、日本の消費者の75% がジェネレーティブAIを好意的に受け止めているようだ。アメリカの46%と比較して高い数値となった。一方、生成AIをネガティブに捉えた回答は、日本では16%に対し、アメリカでは21%となった。

日本のマーケティング担当者の77%が、生成AIによるコンテンツの使用を検討していると回答した。一方、「積極的に使用する」との回答は31%にとどまり、アメリカのマーケティング担当者の93%より低い結果となった。

ロイターが5月18日に発表したイスポス社との別調査によると、アメリカ人の3分の2以上が AIの悪影響を懸念しており、61%がAIが文明を脅かす可能性があると考えているという。

AI企業Anyscaleの共同設立者でもある、カリフォルニア大学バークレー校のイオン・ストイカ教授はロイターへのコメントで、「革命的な創薬などAIの積極的な応用はChatGPTほど目に見えない」「アメリカ人は、家庭でも職場でも、AIがすでに日常生活にどれほど浸透しているか理解していないかもしれない」と述べた。

生成AIをめぐっては、2012年にニューラルネットワークのアーキテクチャであるAlexNetの論文を教え子らとともに発表し、AIのゴッドファーザーとして知られるジェフリー・ヒントン氏がGoogleを退職。ニューヨーク・タイムズのインタビューで人々の雇用への影響に触れ、「AIが単調でつまらない仕事を奪い、それ以上の仕事も奪うかもしれない」「AIの危険性についてグーグルに与える影響を考慮せず話せるように退社した」と述べている。